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ソードアート・オンライン 穹色の風
アインクラッド 後編
Half Point
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密な()()に迎えられた。
 全てが濃霧に沈み、その存在さえ疑問に思えてしまうほどあやふやな空間。今まで何度も来た、否、()()()()()()()夢の世界。……尤も、そんなロマンとファンタジーが溢れる光景だとは、お世辞にも思えはしないが。

「……今回は、随分と手荒なご招待だな」
「……申し訳ありません」
「ハァ……。で、今日は一体、何の用なんだ?」

 嫌味の一つでもぶつけてやろうかと考えていたマサキだったが、霧の向こう側から聞こえてくる声が本当にすまなさそうにしていたため、首を振りながら溜息を一つ吐くだけにとどめた。そのような辺り、やはり自分は少し変わったのだと実感する。

「はい。……マサキさん自身が思うように、マサキさんは確かに変わりました」

 そして、彼女はいつものように心を読んだ。マサキの視線が険しくなるが、気に留める素振りを見せないままに少女は続ける。

「けれど、一つだけ変わっていない――いいえ、変わりきれていない部分があります。……そして、マサキさんはもう、そのことに気付いている」
「……さあ、どうかな」

 一瞬の間をおいて、マサキはおどけた口調で一段と真剣みを増した少女の言葉をいなした。
 嘘はついていない。ついたところで、どの道見破られるのだから。

「……迷って、いるのですね」
「…………」

 静かな語り口に続いて、沈黙がその場を支配した。お互いの探るような視線が、霧を挟んで交錯する。
 少女はマサキの本心を紐解くようにゆったりと時間を使ってから、同じようにゆっくりと口を開いた。

「今、マサキさんの中でせめぎ合っている二つの感情は、実は同じものです。……ですから、信じてあげてください。……マサキさん自身の、繋がりを求める心を」

 ――ザ、ザザッ。

「なっ……!?」

 次の瞬間、幾筋ものノイズが、空間を満たす濃霧を切り裂くようにして発生した。思いもよらなかった事態に反応できなかったマサキは、彼女の言葉を飲み下すことすら忘れ、驚愕の声を漏らしてしまう。

「……どうやら、お時間のようですね」

 しかし、彼女の声には悲しみや寂しさこそあれ、驚きは微塵も感じられなかった。この事態を予め予測していたとでも言うのだろうか。マサキの脳内にいくつもの考えがよぎるが、そうこうしている間にもノイズは勢いを増し、視界を覆っていく。

「時間って……どういう意味だ!? おい!!」

 気がつくと、マサキは声を張り上げていた。彼女が消えてしまうことを無意識に悟り、胸の中にかつてと同じ苦しさが湧き上がる。

「……やはり、マサキさんは変わりましたね……。私のことなら、心配はいりません。……私は瞳。マサキさんを視
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