31部分:第三十一章
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だ。決して消えることのない火」
静かに本郷に対して述べる。
「これを使えばここでも野宿はできる」
「それは陰陽道ですか?」
「五行の火だ」
また語る役だった。
「その術の中の一つだ。火鬼だ」
「火鬼?」
「そうだ、火の化身である鬼」
言葉を続ける。
「この火は消えることがない」
「ではそれを使って野宿しますか」
「後は薪を手に入れるぞ」
「はい。薪は幾らでもありますね」
「そうだな。では早速」
「やれやれですよ」
野宿することが決まってからも溜息を出す本郷だった。役はそんな彼に対してまた問う。
「何が不満だ?火もあるのに」
「これが普通に何もない状況なら別によかったんですけれど」
「周りには何もないが」
「さっきはあったじゃないですか」
彼が言うのはこのことだった。
「さっきは。それなのに」
「それは言わないことにした方がいいと思うが」
「リンデンバウムさんのお城は」
「やはり言うのだな」
「聞きたくなければそれでいいですよ」
一応こうは言う。
「愚痴りたいだけですから」
「飲むか?それなら」
「何があります?」
「ブランデーがある」
懐から出したのは一本の瓶だった。そこにはそのブランデーが満たされている。
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