歌い手、説教をする
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ちゃだめですか?それと、一切声が聞こえないんですが・・・」
あ、リリちゃん。確かに、もう砂嵐は消えてるんだよね・・・
でも、こんな年長者二人が説教されてる姿は、見せちゃ駄目だろうから・・・
「ちょっと状況が変わっちゃったんだ。もう少しだけ、目を瞑ってて?あと、ちょっと諸事情で僕の声は聞こえないけど、聞こえないからって心配しなくて良いからね?」
「はい、分かりました!」
うん、元気なお返事、ありがとう。
あ、もちろん、声音は一度、元に戻しましたよ?
「こんな感じで、リリちゃんも心配してるからさ。早く話してくれないかな?」
「「はい、分かりました」」
二人は同時に正座をして、背筋をピンと伸ばし、逆廻君にいたっては学ランを第一ボタンまで全てしめている。
始めてみたよ、君がしっかりとした服装をしてるのは。
「あの時は、契約書類が引き分けといったので、それについて黒ウサギに聞いていました」
「そして、十六夜さんがそのことについて文句を言ったので、箱庭の判定は絶対であると、そう説得しておりました」
「奏に任せたのは、剣の舞を歌いながら剣を出しているのを見たので、アルゴールを倒せた技なら大丈夫だろうと思い、任せました」
「こちらに来る前に、白夜叉様が奏さんに新たな剣のギフトを与えたことは聞いていたので、そこからも大丈夫だろうと判断しました」
なるほど、そのことを聞いてたなら、僕に任せるだけの理由にはなるね。
見てただけの僕に丸投げしたことは、どうしても許せないけど・・・
「うん、二人とも反省したようなので、僕からのお説教は以上とします。あとは、あの人たちの話を素直に聞くように」
「「はい。この度はどうもスイマセンでした」」
二人は立ち上がると、大人しく“サラマンドラ”の人に捕まって、連れて行かれた。
「ふう・・・リリちゃん、もう大丈夫だよ?」
「はい、分かりました。ところで・・・一体何があったんですか?」
「できれば、彼らのプライドのためにも教えたくないんだけど・・・」
僕はリリちゃんを下ろし、しゃがんで顔の高さをそろえると、
「リリちゃんは、コミュニティの年上の人を、あんまり見習いすぎないでね?」
「よく分かりませんけど・・・はい、分かりました!」
うん、いい笑顔だ。
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