幽鬼の支配者編
幽鬼の支配者
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だな」
エルザの疑問にミラとアルカが答える。
「不意打ちしか出来んような奴等にめくじら立てる事はねぇ、放っておけ」
笑いながらそう言うマスターに、ナツはイライラをぶつける様にダン、とテーブルを叩いた。
その表情にも怒りが滲み出ている。
「納得いかねぇよ!俺はアイツ等潰さなきゃ気がすまねぇ!」
「この話は終わりじゃ。上が直るまで仕事の受注はここでやるぞい」
「仕事なんかしてる場合じゃねぇよ!」
「ナツぅ!いい加減にせんかぁ!」
「何であたしのお尻!?」
「マスター・・・怒りますよ」
ミラが頬を膨らませる。
ミラを怒らせているマスターをアルカが睨んでいるのは余談だ。
「つーかちょっと待て・・・もれそうじゃ」
「なんで平気なんだよ・・・じっちゃん・・・」
そう呟き、ティアに目を向ける。
「ティアも!どーして平気なんだよ!」
「じゃあ聞くけど、今ここで私達が騒いで何かが変わる訳?」
ナツが言葉に詰まる。
ティアは相変わらずの冷たい瞳を真っ直ぐナツに向け、言葉を続けた。
「ここで私達がどれだけ騒ごうがファントムを恨もうが、それでファントムのギルドが潰れる訳でも、奴等に解散命令が出される訳でも、ギルドが直る訳でもないでしょ」
ド正論を述べるティアに、ナツは完全に黙り込む。
それをフォローするかのように、ミラが口を開いた。
「ナツ・・・悔しいのはマスターも一緒なのよ。だけどギルド間の武力抗争は評議会で禁止されてるの」
「先に手ェ出したのあっちじゃねーか!」
「そういう問題じゃないのよ」
ギルド間抗争禁止条約。
これは正規ギルドだけではなく闇ギルドにも適用される為、評議院の検束魔導士でないと闇ギルドを潰せない、という問題も抱えている。
ティアが仕事で闇ギルドを相手にする際も、基本的には評議院直々の依頼の事が多い。
「マスターのお考えがそうであるなら・・・仕方・・・ないな・・・」
こうして全員が納得しないまま、解散となったのだった。
「な〜んか大変な事になっちゃったな〜」
「プーン」
ガラガラとキャリーバックを引きずりながら、ルーシィはプルーを連れて運河沿いを歩く。
運河の子船から「じょーちゃん、落ちても知らねーぞ」と声がかかった。
「お仕置き免れたのは助かったけどね。ファントムっていえば妖精の尻尾と仲が悪いって有名だもんね」
そうこう話している間に、ルーシィの家に辿り着く。
「あたし、本当はどっち入ろうか迷ってたんだー」
「プーン?」
「だってこっちと同じくらいぶっ飛んでるらしいし」
よいしょっとキャリーバックを持ち、ギシギシと音を立て階段を上る。
「でも・・・今は
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