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〜烈戦記〜
第十三話 〜大将着陣〜
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`流石に戦経験も無しに蛮族相手に一人で
`向かわせる`のは、ちと酷ではござらぬか?』

え?

『それに息子が率いていた兵は皆徐城より出した`新兵`であり2000はあれど、流石にこれではかの英傑豪傑が率いていた`としても`難しいと私は思うのだが...』

洋班の父であろう人が、さも大物の様な困り笑顔でそう締めくくる。

...なんだこの人。
この言い方だと全部父さんが悪いみたいじゃんか。

『...それは些か語弊がございます』
『む?語弊とな?』

父さんが口を開く。

『その...洋班様からどのように聞いておられるかは存じあげませんが、あくまで我々の見解では大切な州牧様のご子息を一人で危険な蕃族の地に向かわせる事は決して...』

『では何か?』

急に先程までの人が良さそうな声色とはうって変わってドスの効いた声に変わった。

『豪統殿は私の息子が`嘘を`私に話したとでも?』
『い、いえ!そんな事は決して...』
『それに』

父さんに洋循が畳み掛ける。

『`仮に`息子が勝手に事を起こしたっして、それを止めるのも貴方の仕事ではござらんか?私は現地に`貴方程の`人間が居ると知っていたからこそ大事な息子を任せたというのに...。しかも、よりによって貴方は息子が蛮族退治に向かおうとして、それを引き留めたそうじゃありませんか?』
『そ、それは相手が蕃族であって、その蕃族の有用性と無害さを前々から...』
『私は蛮族の討伐を命じたのだ!』
『...ッ!』
『この地の責任者である私が蛮族を退治しろと言ったのだ!これはお願いでも提案でもない!命令だ!まったく...これでは蛮族退治も失敗して当然だったという事ですな。息子の初陣に泥を塗りおって...』
『...』

なんなんだあいつ!
なんなんだあいつ!
なんなんだあいつ!!

さも呆れたような顔で、しかも周りにいる人間全員にわざと聞こえるような大きな声で父さんに怒鳴りつけるこの男。
洋班の、いや、洋班以上に汚い。
僕の中で再び黒い感情が芽生える。

『...む?』

ふとした瞬間に洋循と目が合う。

『誰だ!そこにおる者は!』
『...ッ』

飛び出るかと思うくらいに心臓跳ねた。
洋循の声に周りもこちらに振り返る。

『た、帯!?』
『...ッ』

父さんの何故という表情の横で凱雲は、いかにめ苦虫を噛むような表情をしていた。

僕は逃げた。
何故かわからぬままとにかく逃げた。

『あの者を捕らえよ!』

洋循の口元が嫌らしく歪んでいるのも見ぬままに。





『洋循様!捕まえました!』
『離せ!離せよ!』

目の前では自分の息子が兵士に羽交い締めにされながらもがき叫んでいた
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