暁 〜小説投稿サイト〜
問題児たちが異世界から来るそうですよ?  〜無形物を統べるもの〜
リリの大冒険〜働かざる者食うべからずと偉い人は言いました〜 A
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見ている方向を見ると・・・そこにはコッペリアがたっていた。
そして、手に持った契約書類を広げると、それは一枚の大きな旗となり、“アンダーウッド”に靡く。

「――――ゲームクリアです。“退廃の風”よ、もはや貴方ではわたしを滅ぼせない・・・!!」

へえ、あれがコッペリアのコミュニティ、ラスト・エンブリオの旗印か。
真っ赤な生地に重なり合う歯車、幻想を孕んだ蕾。

「去りなさい、退廃の風よ“わたし”の終わらない夢、パラドックスゲームが終了した以上これ以上の限界は契約違反、箱庭から追放されることになりますよ。」

さて、これであの魔王がおとなしく去ってくれるといいんだが・・・無理だろうな。
コッペリアが完成したことでここら一帯はアイツにとってのご馳走の山だ。
もう一発くらい入れたほうがいいか・・・?

「おい、そこのカオナシ魔王様。そっちが契約を破棄するってんなら――――こっちも、相応の反則で挑ませてもらうぞ。」

いや、その必要はなさそうだ。
十六夜の右手から極光が放たれる。
あれは巨龍を倒したときにも使ったもの、こいつにも十分に通用するだろう。
退廃の風は、一瞬笑みを浮かべたようになると、世界軸へとかけていき、その場から去っていった。

「ふう、これで終わったな。」

とりあえず、地面に降りて、手に纏った呪力を散らす。

「さて、面倒ごとも片付いた。祝勝会代わりに、パンプキンキッシュでも食うか。」

十六夜が両手を広げ、笑いながらそう言っている。
腹も減ったし、俺も参加するか。



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アンダーウッド、主賓室。
今回はヤシロちゃんとスレイブの位置が入れ替わり、席について、十六夜が焼いたパンプキンキッシュを晩餐に歓談していた。

「にしても、あれは何だったの?最後に退廃の風を投げたやつ。」
「確かに、それは気になりますね。あれはただの風だったはずですし。」
「さすがに、お兄さんが操れる相手じゃないよね?」
「ああ。マスターは格上を操ることは出来ないといっていましたから。」

さすがに、四人がかりの質問を無視するのは無理か。
怒られそうだから出来れば秘密にしておきたかったんだけど、

「うちの家系で受け継がれてきた体術の一つ。実体のない妖怪に使う技で霞投げって言う。」
「そんな技があるのですか?」
「まあね。やり方としてはお札とかに含まれる呪力的なもので手を覆って、そのまま投げるだけの技なんだけど、結構そのあたりのバランスが難しいんだ。無形物を統べる者で操れる保証もなかったし。」
「でも、あの場面で使ったってことは自信があったんだ?」
「いや、もうかなり久しぶりに使うし、呪力を操ったことも
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