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問題児たちが異世界から来るそうですよ? 〜無形物を統べるもの〜
短編 一輝とお姫様 @
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顔を隠す、一輝と歳の変わらない少女がいた。
「電話したその日に申し訳ありません。こちらにも事情がありまして・・・」
「いいよ、陰陽師への依頼には、そんなのも多いし。訳ありなら、それにあった対応をするだけ。話を聞くから、入って。」
一輝は入るよう促し、自分が先に入っていく。
人数が予想以上に多かったので倉庫の中から椅子と机を出そうとするが、
「いえ、座るのは私とこのお方だけなので、椅子はこれで構いません。」
「・・・了解。お茶とかはもう準備しちゃったから、飲んでって。」
一輝はソファに座っている二人とその背後で直立している人たちにお茶とお茶菓子を配る。
「では改めて、陰陽師の卵をやっています、寺西一輝だ。まずはその帽子を取ってもらっても?さすがにその状態の人の依頼を受けようとは思えないし、カーテンも閉めたから誰にも見られないし。」
「・・・分かりました。構いませんか?」
「ええ。預かっていてください。」
少女は帽子を取って黒服に預ける。
一輝はその整った顔と綺麗な金髪を見て、記憶に引っかかり悩み始めるが、それは長くは続かなかった。
「あー・・・どおりで見覚えがあるわけだ。」
「はい、こちらは私たちの国の第一公女、マヤ様です。」
一輝はそれで黒服軍団がいたのか、と納得し、今まで出一番偉いのではないか?というレベルの依頼者に驚いている。
「・・・まあ、驚いてても仕方ないか。で、依頼内容は護衛?」
「はい、それを依頼するために、こちらに来させていただきました。」
「それなら、何で俺なんかに?俺はまだ高校生だし、陰陽師の卵。俺より強くてしっかりと陰陽師を名乗れる人もいると思うんだけど?」
「それは、」
「私が歳が近い人がいい、と頼んだからです。」
黒服が答えようとするが、お姫様・・・マヤがそれを遮り、答える。
「マヤ様、わざわざ貴女が答えなくても・・・」
「いえ、私の我侭ですから、私が自分で答えるのが道理です。」
マヤは無表情で無感情な声を出し、黒服に答える。
一輝はそれを止めて欲しいと思ったが、今それを言っても仕方ないと思考をきる。
「そう思った理由は?」
「日本にいる間だけとはいえ、自分の周りに人が一人増えるのですから、歳が近い人のほうがやりやすいです。」
「ごもっとも。でも、それなら女子のほうがよくないか?」
「それはそうなのですが、こちらで言う高校生の女子で、力のある陰陽師はいませんでしたので。」
「たしかに、男子ならいるけど女子にはいないな。それで、マヤは俺に白羽の矢を?」
「え?」
マヤは一輝の問いかけに驚いたような声を上げる。
「ん?もしかして、意味の分からない単語、あった?」
「あ、いえ。すいません。そういうわけではないです。
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