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問題児たちが異世界から来るそうですよ? 〜無形物を統べるもの〜
ウサ耳
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一輝は枝から出る水を飛ばし、妖怪を切っていく。
決して死ぬことはないが、本来致命傷となるだけのダメージを与えれば、一時的に檻の中に戻すことが出来る。
もう一度出すには、一度奥義を解除しないといけないので、有効な手だ。
「そっか。もうそれは使いこなせるんだね!」
湖札は、直接一輝に攻撃を仕掛ける。
一輝はその攻撃をよけながら水で攻撃するが、全てよけられる。
「なんで、湖札が魔王連盟に!」
「言ったでしょ、拾ってもらったって。その恩を返すためだよ!」
たとえ鬼といわれても、受けた恩は返す。
その覚悟が、湖札からは感じられた。
「だから私は、魔王連盟に所属する魔王として!ここに立ってる!!」
「魔王って、ただの人の湖札が、どうやって!?」
「兄さんだって、考察ぐらいは出来てるでしょ?その方法だよ!」
「!?」
一輝が湖札の言葉に驚き、一瞬固まった隙を突かれて蹴り飛ばされる。
「あ・・・ぐ・・・」
「さて・・・もう少し兄さんと話したかったけど、手加減されてるところをこれ以上やっても、意味ないよね。それに、そろそろ迎えもきそうだし。」
湖札は、十六夜に殴られそうになっている殿下を見る。
つられて一輝も見るが・・・その姿は、十六夜のこぶしが当たる寸前で消える。
「あれは・・・」
「境界門の使用による、瞬間移動。じゃあね、兄さん。次に会うときは、私の主催者権限で相手をするよ。」
一輝がどうにか立ち上がると、湖札は刀を納め、妖怪を檻に回収するとどこかへと向かう。
一輝も仲間のところまで水に乗って飛び、合流する。
「あれが・・・魔王を束ねるコミュニティ。」
「魔王連盟と、その首魁・・・」
「そうだ。」
飛鳥と耀のつぶやきに、一輝はそう返しながらふらついた。
「ちょ、一輝君!?どうしたの!?」
飛鳥が慌てて一輝を支え、一輝は転ばずにすむ。
「ちょっと、あの中の一人とやって、こうなった。」
「それほどの実力者が、あの中に・・・」
「ああ、あいつだ。」
一輝は、再び巫女服になった湖札を指さし、
「天野湖札・・・俺の妹で、魔王連盟に所属する魔王の一人だ。」
二人は、一輝の言葉に対して驚きを隠せずにいた。
一輝が妹に負け、その妹が魔王だというのだから、当然だろう。
そのまま、三人が動けないでいると、殿下はジンたちを見て、
「二人とも!今日は楽しかったぞ!今日一日のことは忘れない!例の保留にしていた話―――魔王連盟に加盟することを、よくよく考えてくれ!」
そう、言い放った。
「・・・なんか、あの顔を見てみると、悪戯で言った感が半端ないんだけど。」
「たぶん、それであってると思うわ。」
「あの表情は、間違いない。」
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