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問題児たちが異世界から来るそうですよ?  〜無形物を統べるもの〜
魔王連盟
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り出す。
そして、そばにいる味方を背に庇い抜刀する。

「全員、俺の背を出るな。死ぬぞ。」

一輝は真剣な声で忠告する。
ちなみに、一輝の背にいるのは、ジャック、ルイオス、湖札の三人だ。

「おい、急にどうしたんだよ?」
「気がつかないのか?この世にレティシアを売ったコミュニティは魔王連盟に所属するコミュニティ以外にないんだよ。」

その言葉で、一輝の背に二人分の緊張が伝わってくる。

「それと・・・殿下って呼び方からあいつはかなりの実力者の可能性が出てくる。この中で対抗できる可能性があるのは、俺か黒ウサギだけだろ。」

スレイブがいないのはつらいな・・・、と一輝はもらす。
そして、警戒をとかないままに、殿下たちの会話に耳を傾ける。

「なるほど。出会いがしらで既に見抜かれていたとは・・・ジンのファインプレーだな。素直に見直したよ。」
「じゃ、じゃあ・・・リンも・・・?」
「そうだ。騙して悪かったな。俺達は、お前たちが魔王連盟と呼ぶものだよ。そして・・・」

殿下は、一輝の背後に目を向けると、

「そいつは、俺でも対処するのに少し、骨が折れる。だから・・・頼んだぞ、湖札?」
「うん、殿下。」

湖札にそう言い、湖札もそれに返す。
一輝が一瞬固まり、慌てて振り向くと、そこには刀を持ち、巫女服になった湖札がいた。

「まさか、湖札も・・・?」
「うん。ごめんね、兄さん。」

湖札はそういうと、一輝に向かって刀を振るう。

「あーくそ!ジャック!ボンボンは任せた!」

一輝はジャックにそういうと、獅子王で湖札の攻撃をガードする。

「ここで戦うと殿下の邪魔になるから、移動しよう、兄さん!」
「待て、湖札!」

湖札は先に闘技場の中央に飛び降り、一輝もそれを追う。
だが、二人が着地するより先に、湖札が何かをつぶやき、その場が白い霧に包まれる。

「これは・・・“妖使い”。」
「正解だよ、兄さん。」

霧がだんだんと妖怪の姿をとっていき、視界がよくなると一輝は湖札の姿を視認した。
先ほどまでと変わっているのは、手に持つ刀が、形を変えていることだろう。

「そして、“妖武装”か。それが、湖札がぬらりひょんからもらった奥義?」
「うん。あと、もう一つごめん。ぬらりひょんからは、私も全部の奥義をもらってる。」
「そうか。にしても、困ったな。」

一輝は、奥義を一つも発動しない。
妖使いは、一輝がこの場で使ってしまうと妖怪であふれかえり、身動きが取れなくなる。
かといって、伝説の召喚を湖札は許さないだろうし、武装する暇もない。
妖怪の群れとその将に対し、一輝は一人で戦わないといけないのだ。

「私の役目は、兄さんをこっちに引き込むか、足止めすることだから。こ
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