暁 〜小説投稿サイト〜
問題児たちが異世界から来るそうですよ? 〜無形物を統べるもの〜
スレイブ
[1/3]
[8]
前話
[1]
次
最後
[2]
次話
「で、話したいこと、あるんでしょ?」
着くなり、マスターにそう切り出されます。
どう始めるか悩んでいたので、助かります。
「はい。マスターは私のことを、どう認識しているのですか?」
これが、私が確認したいこと、昨日推測していたことだ。
「どうって?」
「そのままの意味です。あと、ここからは割りと本音で話すので、口調が荒くなってしまうかもしれませんが、お許しください。」
「べつにいいよ。で、どう認識してるかだけど・・・仲間。友達。あとは、家族、かな。」
「あなたの剣、ではなく?」
「それもあるけど、さっき上げたのの方が大きい。」
やはり、そうでした。
「つまり、私のことを人間として認識していると?」
「当たり前だろ?」
「当たり前では有りません!」
でも、それは違います。
「私は剣!あなたが振るう、あなたの剣!決して人ではない!」
「人だよ。」
「だから違うと」
「違わない。そんなことを言うな。」
マスターはいつもよりも低い声で、私の言葉を遮る。
「スレイブはしっかりと自我を持ってる。自分というものを認識してる。そういうやつらは、人だよ。」
「違います!私は、」
そこで、私は一度剣の姿になり、また人の姿を取る。
「今のような姿に成れる!そして、今の姿が私の本性です!」
「だからなんだ?それにお前も言ってたじゃないか。“私も一応、女ですよ?”って。」
「それは・・・確かにそうです。ですがっ、私は剣で」
「それは関係ないってさっき言ったよな?」
マスターは、どうして私をそう見るのですか。
「俺は、お前の本質が何であろうと、人としてみる。認識する。」
どうしてそんなに、優しいのですか。
「どんな姿になれるかだって、何も関係ない。俺も人ならざるものの姿をとれる。妖怪、魔物、そういったものにな。」
それでは、ダメなんです。
私は、剣なのだから。
「・・・私はっ、魔剣、ダインスレイブでしたっ。」
なぜでしょう?嗚咽が出てきてとてもしゃべりづらいです。
「ですが・・・私は呪いを失い・・・剣と、なった。」
マスターを見ますが、視界もぼんやりとしています。
それに・・・頬が、何かで濡れているようです。
「それでも、私は、剣、です。ただ、振るわれるもの・・・。」
これでは、マスターの顔がよく見えないじゃないですか。
「なのに・・・私はっ、感情を持った。憎悪の類ではなく・・・喜びを。楽しみを。持ってしまった。」
そして、マスターに情けないところを見せてしまいます。
「それは、剣に、あるまじきこと、です。でも、マスターは、」
両手を使い、涙を拭いますが・・・止まってくれません。
「なぜ、
[8]
前話
[1]
次
最後
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ