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問題児たちが異世界から来るそうですよ? 〜無形物を統べるもの〜
ヤシロ
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も一つクリアして終わらせてた。さっき言ってたように、責任が生じるからね。」
「じゃあ、私たちは一緒にいてもいいんだ?」
「当たり前だろ?」
「もしお兄さんが元の世界に帰ることになって、ついていきたいって言ったら?」
「ありがたいね、大歓迎だよ。住む場所も、神社の権利を奪い返せばいいし。」
一輝がそう言うと、ヤシロは一輝の目を見て、告げた。
「ありがとう、凄くうれしい。でも、私は、お兄さんに倒されて隷属することになった、元魔王。だから、私はずっとお兄さんに隷属することになる。一生、箱庭を離れても、お兄さんに付いて行く事になる。だから、真剣に考えて、さっきの答えを、」
「だから、問題ないって言ってるだろ。あれは嘘偽りない真実。」
一輝は聞いていられず、言葉をさえぎって、ヤシロの目を見て答える。
「別に、家族が増えることは嫌じゃないし、俺なんかについてきてくれるなら、そんなありがたいことはないよ。」
「・・・はぁ、そっか。そうだったね。お兄さんは、こんな人だった。」
ヤシロは顔をうつむけ、言葉を紡いだ。
「何悩んでたんだろ、自分があんまり構ってもらえてないからって・・・バカらしいな、ホント。」
ヤシロは再び顔を上げ、その赤くなった目を一輝に向けると・・・契約を始める。
「じゃあ、私がまた悪の道に走ったら?」
「意地でも止める。多少手荒なまねをしても、だ。」
「私が破滅しそうになったら?」
「前にも言っただろ?俺が全て操って、破滅なんてさせない。」
「私が、お兄さんの世界に行ったら?」
「家族として、妹として受け入れる。まあ、もう妹だって思ってるんだけどな。」
「うん、じゃあこれを契約内容にしよう。」
「契約?」
一輝はヤシロがいった言葉の意味が分からず、聞き返す。
「うん、契約。魔王の隷属だけでも足りるとは思うんだけど、」
魔王の隷属は、魂を木っ端微塵にして倒したとしてもなされる、強い契約だ。
十分に強い契約だが、ヤシロはそこに新たな契約を加え、より確実なものにしようとしているのだ。
「それでも、絶対なのかは分からないから、もう一つ加えたいの。私、ヤシロ=フランソワ一世とお兄さん、寺西一輝が結ぶ契約を。」
ヤシロは一輝の手をとり、契約を終える。
「私、ヤシロ=フランソワ一世は、さっきの契約が守られる限り、未来永劫貴方と共に生きる。」
ヤシロはそれを言い終えると、一輝に抱きつき・・・可愛らしい寝息を立てて、眠りについた。
「・・・ありがとう、ヤシロちゃん。これからもよろしく。」
一輝は、ヤシロに抱きつかれたまま、その体を支え、ベッドまで行くと・・・そのまま眠りについた。
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