第一章
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わかった。
「尋常学校の頃からか」
「尋常学校って何年前ですか」
「うむ、昭和の初年入学じゃった」
その頃の話だというのだ。
「その頃からじゃったな」
「あれっ、けれど倉田博士って」
坂上君はここで倉田の容姿を思い出した、倉田は濃い眉が印象的で睫毛が長く丸い目を持っている細面の顔立ちだ。綺麗な長い黒髪を後ろで束ねていて長身で胸が大きく均整の取れたスタイルだ、どう見ても三十程だ。
それでだ、尋常小学校と聞いてこう言ったのである。
「昭和一年って一九二五年ですよね」
「そうじゃよ」
「それじゃあ博士って一九一九年生まれですか」
「第一次世界大戦終了の翌年じゃ」
池上本人からの言葉だ。
「その歳に同じ浅草で生まれたのじゃよ」
「倉田博士どう見ても三十歳位ですが」
「ああ、容姿はな」
「何かあるんですか?」
「若返りの薬を使って美容にも気を使っておるからじゃ」
それで容姿は若いままだというのだ。
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