第六章
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「しかもその中で一番目立たない」
「そうした場所に行くな」
「そうですね、この港の一番奥ですか」
「まずはそこに行きだ」
「そこの一番目立たない場所ですね」
「適度の建築年数で適度の大きさでな」
そうした倉庫の中でも個性のない場所だというのだ。
「そこだろう」
「じゃあ今から」
「その倉庫を探そう」
「はい、それじゃあ」
キッドニーはホイットマンの冷静な言葉に頷いた、そしてだった。
二人で港の一番奥に向かった、そこもまた倉庫が並び暗い世界の中に林立しどの倉庫にも個性はないかと思われた。
だがここでだ、ホイットマンはある倉庫の前に来てこう言った。見ればその中で普通の大きさで新しさだ、確かに最も目立っていない。
それでだ、こう言ったのである。
「怪しい場所だな」
「そうですね、言われてみれば」
「何もかも普通だとな」
「ちょっとしたら気付かないですけれどね」
「よく見ればだ」
それがだというのだ。
「特徴がなくてもな」
「それがかえって特徴になりますね」
「なる」
かえってだ、そうだというのだ。
そうした話をしてだ、それでだった。
その倉庫に耳を峙たせる、すると。
色々と声が聞こえる、その声を聞いてだった。
ホイットマンは真剣な顔になりこうキッドニーに言った。
「間違いないな」
「聞こえますね」
キッドニーも聞いた、それでホイットマンに応えたのだ。
「声が」
「間違いないな」
「そうですね、じゃあ」
「今から中を覗くか」
「それで今のうちにですね」
「間違いの可能性はな」
それはない、ここまで手が込んだネットや酒場での情報操作を行い人をいなくさせた港で話をしているのなら最早彼等が考えている相手以外には考えられなかった。それでだった。
ホイットマンとキッドニーは今のうちに署長と警視に携帯のメールでこっそりと連絡をした。そうしてであった。
二人は倉庫の窓のところから中を覗いた、するとやはりだった。
無数の黒いスーツの人間が集まって話をしていた、その話はわからないがこれで間違いなかった。それで。
彼等はまずは署長達を待ちそしてだった、そうして。
彼等と合流して中に踏み込んだ、それから。
倉庫の中に飛び込みホールドアップの姿勢で叫んだのだった。
「警察だ、動くな」
「この倉庫の中はもう包囲されているぞ!」
「わかったら大人しくしろ」
「抵抗したら撃つ!」
こう言って突然の思わぬ乱入に戸惑った彼等を全て拘束した、懸念されていた銃撃戦はなくそれはよかった、だが。
拘束したのはやはりファミリーの面々だった、そして彼等が倉庫の中でしていたことはというと。
「麻薬だったな」
「ええ、そうでしたね」
キッドニーは難しい顔でこうホイ
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