暁 〜小説投稿サイト〜
カムバック
第六章

[8]前話 [2]次話
「全く以て」
「そうみたいだね、ただ」
「ただ?」
「女の子にはその方がいいね」
 新島は女の子の側に立って考えてみてこう言うのだった。
「やっぱりね」
「それはそうですね」
「うん、あれは完全に下着だから」
 下半身のラインが完全に見える、しかもそのデザインがだというのだ。
「あれじゃあね」
「はく方はたまらないですね」
「だからね」
 女の子としてはなくなってよかったというのだ。
「それでよかったと思うよ」
「そうなりますね」
「うん、それにしてもね」
「それにしてもとは?」
「君もそうした趣味があるんだね」
 新島はその若い部下の顔をまじまじと見て言った。
「そうなんだね」
「そうした趣味ですか」
「何ていうか、コスプレかな」
「ははは、コミケとかである」
「いや、この場合はそちらじゃなくてね」
 新島もコミケのことは知っている、だが今連想したのは。
「むしろ風俗かな」
「イメクラですか」
「そんな感じだよ」
「実はここだけの話ですけれど」
 男同士でしかも新島が口の固い相手だからだ、この若い部下は彼を信頼してそのうえでこう言ったのだった。
「実は俺そうしたお店が」
「好きなんだね」
「時々行ってます」
「彼女はいないのかな」
「一年前に別れまして」
 それでだというのだ。
「それから時々は」
「そうしているんだね」
「そうなんです、けれど俺イメクラには行かなくて」
 ではどういう店に行っているかというと。彼はこのことも話した。
「デリヘルとかホテトルとか」
「そうしたところなんだね」
「コスチュームあるお店やホテルがあるんですよ」
 そのどちらもだというのだ。
「そこに本当に時々ですけれど」
「成程ね」
「そうしてます、それでブルマも」
 話に出したそれもだというのだ。
「結構好きでして」
「女子高生の制服もだね」
「いいですよ、刺激があって」
 彼は新島ににこにこと、というかにへらっという感じの好色な笑顔で話した。
「コスチュームも」
「そうなんだね」
「何時かまた彼女が出来たら」
 その時の浪漫もだ、彼は新島に話した。
「そうした服を着てもらって」
「楽しみたいんだね」
「服は色々ありますから」
 露骨にその趣味を話していく。
「ですから」
「成程ね、けれど程々にね」
「お金のことですね」
「僕は他人の趣味については言わないから」
 そうしたことについて言う趣味はないというのだ。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ