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銀河英雄伝説〜生まれ変わりのアレス〜
〜五学年〜
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いない。それより君らは何でいまの課程を選んだんだ」
 苦笑して、アレスは残っていたパスタをすすった。
 そう変わったことといえば、おそらくは二人の進路だ。

 スーンは後方支援課程を、フェーガンは陸戦指揮課程を選択していた。
 原作では二人の卒業課程などでてこないが、おそらくは原作とは違うだろう。
 スーンは成績でいえば、戦略研究課程に入れる実力を持っていた。
 フェーガンはグランドカナルの艦長であったわけだから、まず艦隊運用課程を卒業したはずだ。

 それが二人とも違う課程に進む。
 少なくともグランドカナルの事件は発生しない。
 個人的には友人が死なずに済むのは嬉しい事であるが、それがどんな未来となるかは予想ができない。

「なんでっていってもね。そっちの方がいいと思ってさ、アレスは補給とか興味なさそうだし」
「別に興味がないわけではないし、出来ないわけでもないけどな」
「うん。知ってる――でも、後方支援は重要だけどあくまでも戦いの勝敗を左右するだけでしょう」

「戦いの勝敗を左右すること以上に、軍に必要なことがあるのか」
「あるさ。僕はそう思うよ」
そう微笑めば、ゆっくりとパンを齧った。
 しばらくアレスはスーンを見つめていたが、それ以上の回答はないようだ。

 だから、代わりにもう一人に視線を向けると、もう一人は大きな肉を口に頬張ったばかりだった。
 もぐもぐと何度も噛み締めて、何だと視線を向ける。

「もともと俺は陸戦志望だった」
「いや、お前艦隊志望だったじゃねえか」
 課程を選択するまでに、何度となくフェーガンの志望は聞いていた。
 言葉に対して、フェーガンはむっと一口。
 フォークをステーキに差した。

「艦隊運用を希望していたのは、父だ。悪くはないと思っていたが、スパルタニアンの操縦席は俺には小さすぎる」
 いやまあ、そうだろうなとアレスはフェーガンの巨体を見ながら、そう思った。
「俺には学生時代から付き合っている女性がいる。卒業後には結婚する予定だ」
「ああ。だから、卒業後すぐに遠隔に飛んでいく陸戦指揮課程は嫌だと」

「うむ。彼女まで一緒に来る金はなかったし、艦隊運用だと地上ではない分、手当がつく。だが」
 そこでフェーガンは笑った。
「結婚式を挙げて、彼女も一緒に来るだけの金が稼げた」
「……な、なるほど」

 身を乗り出したアレスは、静かなフェーガンの言葉にそれだけしか言えなかった。
 確かにお金は大切だ。
 だが、結婚資金になるくらい稼いだってどんなだと思う。
 こちらは大赤字だというのに。

「……次は新婚のハネムーンがかかっている」
「なに、その直接的な要望は!」
「相変わらず低俗な話題をしているな、アレス・マクワイルド」
 と、
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