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いないけれどいる
第一章
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し角があったりなかったり」
「色々よね」
「おかしいじゃないか」
 生物学者の視点からだ、ヘンリーは強く言う。
「だからね」
「ネッシーはいないっていうのね」
「僕はそう考えているよ」
 実際にだ、そうではないかというのだ。
「幾ら何でもこんなに形やらが変わって」
「しかも偽物の写真があったりして」
「そう、おかしなことが多いんだよ」
 それでだというのだ。
「だから僕はいつも主張しているんだよ」
「ネッシーはいないのね」
「とはいってもね」
 ここで言葉が変わる、どういった言葉かというと。
「僕は恐竜が今もいる可能性自体はね」
「それは否定しないわよね」
「うん、しないよ」
 それはというのだ、このことは学者らしい理知を思わせる顔で語る。彼等の右手にあるネス湖の水面は穏やかであり静かな波が漂っているだけだ、そこに何かが潜んでいるとは思えないだけの静かさである。
「それはね」
「シーラカンスもいるしね」
「ムカシトカゲもね」
 ニュージーランドにいるこの動物の名前も出す。
「いるからね」
「恐竜がいること自体はなのね」
「僕達はこの世界のことをまだ何も知らないんだよ」
 ヘンリーの持論だ、これもまた。
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