第四章
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「あんたそれで名前は。仕事は聞いたけれどな」
「グルドっていうの。グルド=ハマラージよ」
「それがあんたの名前か」
「そうよ、ムスリムだけれどバロンダンスを踊ることもあるのよ」
他の踊りも踊るがバリ島、ヒンズー教の島のその島の踊りも踊るというのだ。
「勿論タンゴも踊るわよ」
「何でも踊るんだな」
「私の場合はね。じゃあ今からね」
「ああ、それじゃあな」
こうして二人もまた踊りに入った、そしてだった。
四人、二組の男女はタンゴを踊る。今度は男女で本来のタンゴだった。
そのタンゴを踊る、それが一曲終わってだった。
四人は互いに笑顔になりそれぞれのパートナーを讃えた、それはサイチチャンも同じである。
ハマラージにだ、笑顔でこう言ったのである。
「有り難うな」
「こちらもね」
「踊りについてくのが大変だったけれどな」
「これがダンサーの踊りよ」
「それだけはあるな、俺もまだまだだな」
「何言ってるのよ、ダンサーの動きについてきたじゃない」
ハマラージもまた明るい笑顔でサイチチャンに言う。
「それだけでも凄いわよ」
「そんなものかね」
「タイにも何度も行ったことがあるけれど」
そちらも仕事でだというのだ。
「あの国の踊りも好きよ」
「じゃあ踊るかい?」
「ええ、踊れるわよ」
実際にそちらもだというのだ。
「じゃあ次はそれでどうかしら」
「おいおい、積極的だな」
「駄目かしら、積極的で」
「いいさ、それで」
サイチチャンはハマラージの明るい笑顔に屈託のない笑顔で返した。同じいい笑顔でもそれぞれ違う感じだった。
「それじゃあな」
「今からまたね」
二人はまた踊る、そしてそれを見たリューとワルシャーンもだった。
彼等も踊る、こうして四人でそれぞれタンゴを楽しんだ。
そのタンゴの後でだ、リューは三人に笑顔でこう言った。
「今回のダンスのピアノですが」
「ああ、この美人さんな」
ラテン系の様にはっきりとした目に黒い波立つロングヘアである、明るい感じのはっきりとした顔立ちである。背は小柄だが見事なプロポーションだ。開いた背中もいい。
黒いドレスはさながらカルメンだ、黄色いダリアが似合いそうなその美人についての話になっていた。
「誰なんだい?」
「アメリア=ベスピッチよ」
美人が笑顔で名乗ってきた、ここで。
「覚えておいてね」
「ああ、アメリアさんな」
「名前でわかるかしら」
「あんたはフィリピン人かい?」
「ええ、そうよ」
「実はオーナーがフィリピンに行った時に出会いまして」
リューは笑顔でこの店のオーナーのことも話した。
「それでなんです」
「店にスカウトした」
「そういうことね」
「はい、そうです」
こうワルシャーンとハマラージ
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