哲学的内容・・・・人間とは
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されてはいけない。だから・・・・、いこう。いっしょに。」
「ええ、そうね。貴方は最低ですもの。許すわけない。でも・・・・・。」
そういって妻は坂口に顔を近づける、そして・・・・・・夫と妻の愛の証拠。いつのまにか彼らからは田中のときにも見た白い靄が発されている。
一度だけ坂口がこちらに向かって頭を下げた気がして・・・・そして、二人は消えた。ふっ、と。唐突に。
それを眺めていた二人の男女は呟きあう。
「彼女の未練はおそらく・・・・・彼だったのでしょう。彼に自分の思いを伝えること。憎んでいてもやっぱり好きだったことを。」
「おれ・・・・ひとつだけわかりました。坂口が銭湯覗いていた理由・・・・。」
「・・・・え?」
「妻が風呂好きだって・・・・言ってたじゃないですか・・・・。」
明が少しこちらを見て驚いた表情をして・・・・、そして微笑む。
夕暮れ・・・・オレンジ色の日に照らされた明の表情がそれらに暖かく包まれる。
宏助は思う。人間とは身勝手で、最低で、最悪で、糞野郎で・・・それでも・・・・・・・
「そろそろ帰りましょう。」
明がそう宏助に呟き、宏助もそれに同意。ゆっくり歩を、閉ざされた住宅の壁に向かう。
そんな中明の方を見て、宏助は思う。彼女の微笑を見て・・・・・・思う。
それでも・・・・・『俺たち』人間は・・・・愚かで・・・・美しい。
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