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Element Magic Trinity
TEAR
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インに、ウルティアが声を掛ける。

「まぁ仕方ねぇさ・・・さすがに死んでいるとは思いもしなかった」

パタッと本を閉じる。

「デリオラが手に入ればまた一歩、理想(ゆめ)に近づけると思ったんだがな」

本が自然に宙を舞い、元あるべき場所へと戻って行く。

「ごめんなさいね、ジークレイン様。あの女の魔力があそこまで強大だとは・・・」
「そんな言い方するもんじゃねぇぞ」

カツ、カツ、と靴を鳴らし、ウルティアがジークレインに近づいていく。

「ウルの涙、ウルティアよ・・・俺はお前の母を尊敬している。生きていれば、間違いなく聖十大魔道の1人となっていただろう」

そう。
グレイとリオンの師匠ウルは、ウルティアにとっての母親なのだ。

「かいかぶりすぎよ。母は魔の道に取りつかれ過ぎて父に捨てられた惨めな女」
「失うものが大きければ大きいほど、手に入る力は強大なものとなるんだぜ」
「私は(ウル)の中では小さな存在よ」

そう呟くウルティアは、どこか悲しそうだった。

「どうかな。幼い弟子を育てたのもお前への未練にも」
「その話はおしまい♪それより次の段階へ進みましょ」

ピト、とウルティアが右人差し指をジークレインの唇へ当てる。

「てか・・・お前・・・」

ジークレインが少し目を見開いた。
その目線の先には・・・。

「きゃあああっ!何コレェ!?」
「はっはっはっ、今頃ハレてきやがった」

「ザルティ」としてナツに殴られた左頬が見事にぷっくぅ、とハレているのだ。
それを見たジークレインは大爆笑する。

「そういえば、ナツと戦った感想は?」
「私は半分も力を出してないとはいえ、見事だったわ。あの子はもっともっと強くなるわよ」

そのウルティアの言葉に、ジークレインは満足そうに微笑む。

「だろうな・・・あのイグニールの子だ。俺の理想(ゆめ)の為に・・・燃え続けるがいい・・・」









「帰って来たぞー!」
「来たぞー!」
「たぞー!」

ナツが高らかに言い、ハッピーとルーが続く。
彼等は先ほど、マグノリアの街に到着したばかりだ。

「しっかし、あれだけ苦労して報酬は鍵1個か・・・」
「せっかくのS級クエストなのにね」
「正式な仕事ではなかったんだ。これくらいが丁度いい」
「そうそう、文句言わないの!」

不満げなグレイとハッピーとは対照的に、ルーシィはニコニコと嬉しそうな笑みを浮かべている。

「得したのルーシィだけじゃないか〜」
「売ろうよそれ」
「なんて事言うドラネコかしら!」

ハッピーの売ろうよ発言に驚くルーシィ。

「前にも言ったけど、金色の鍵『黄道十二門の鍵』は世界中にたった12個しかないの。
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