Episode18:核心
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情を抱いている人間だ。そういう人間に、記憶操作を施して更に魔法を否定的にさせていく。そうすれば、あとは簡単だ。『非魔法』を掲げているブランシュに入るのは時間の問題になる」
「なるほどね。どちらにしろ、やってることは下種いわけだ」
「そうね…それに、そう考えると一番条件に合っているのが、魔法科高校。その二科生になるわね」
「一科生に対してかなりの劣等感を二科生は持っているはず。それを、ブランシュが見逃すはずはないわ」
「隼人、お前の周りにそういう人間はいないか?」
全員の視線が、俺に向いた。
劣等感を抱える二科生……俺の知っている二科生は達也たちだけだけど、あの人たちはあり得ないな。美月さんが危ないけど、あの人優柔不断っぽいから、エリカたちのフォローでなんとかできるだろう。だとすれば、俺に心当たりはもう……
「…あ…!」
そのとき、不意に市原先輩との会話を思い出した。カフェテラスにいるとき、達也と一緒にいた人物…壬生紗耶香先輩!あの人は、非魔法競技系クラブの連携に加盟するくらい一科生との差別、ひいては『魔法』に対して否定的だ。
いや、待てよ…下手をすれば、その『非魔法競技系クラブの連携組織』。これ自体が、ブランシュとの連携組織になるのか?いや、仮にそこまでいっていなくても、ブランシュの指示に従って行動している可能性は十分に高い。そうなってくると、かなり深刻な問題になるぞこれは。
「…はぁー……」
深く息を吐き出して、頭を落ち着かせる。
とにかく、これは魔法科高校の管轄内の問題だ。父さんと母さんなら、色々権力とか使って介入できそうだけど、目立ちすぎるのはよろしくない。となると、ここは俺が引き受けるのが妥当か。
「父さん」
「なんだ?」
意を決して、父さんの目を見た。
「今回の件全て、俺に任せてほしい」
翌日。
「鋼、二四六ms余裕だね」
「なんか隼人に言われると嫌味に聞こえるんだけど」
今、俺たちB組は二人一組で行う魔法実技の課題に取り組んでいた。
基礎単一系魔法の魔法式を制限時間内にコンパイルして発動する今回の課題。コンパイルとは、機械に記録することが可能なデータである『起動式』を、機械には再現不可能な『魔法式』に変換するプロセスのことだ。
現代魔法の全てはこのコンパイルを通して魔法が発動される。起動式を記録する機械であるCADに多くの起動式を設定しておけば、多様な魔法を、安定的に使用できるようになった。しかしその代償として、念じただけで事象を改変してしまう『超能力』の持つ発動速度は著しく低下したけどね。
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