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ヘタリア大帝国
TURN95 マンシュタイン参戦その七
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「二度漬け駄目だけれどね」
「それは絶対のルールなので」
 やってはいけないというのだ。
「注意して下さいね」
「わかったわ、それにしてもこういう場所にいると」
 リディアは目を輝かせそこに懐かしむものも見せて台湾に話す。
「昔を思い出すのよね」
「ソビエトのですか」
「ロシア帝国のね。確かに身分差別とか貧富の差は酷かったけれど」
 このことは事実だ、だがそれでもだというのだ。
「自由で気楽なところはあったわね」
「そうだったんですか」
「ソビエトは。知ってるわよね」
「共有主義ですよね」
「カテーリン書記長って凄く真面目なのよ」
 このことは間違いない、カテーリンはとにかく真面目だ。
「皆のことをいつも考えていて誰もが平等で差別のない世界にしたいのよ」
「それがソビエトですね」
「喧嘩も大嫌いなの、けれど」
「理想ですね」
「理想を物凄く追い求めていてそれをソビエト全体に政策として施行するから」
「ソビエトは結果として」
「凄く窮屈な社会なのよ」
 こう言うのだった、革命以前のことを知っている人間として。
「こうした自由は全くないわ」
「そしてそれがですね」
「共有主義なのよ」
 カテーリンが信じるイデオロギーだというのだ。
「私もずっと共有主義は素晴らしいと思ってたけれど」
「今はどうですか?」
「やっぱり余裕がなくてね」
 それでだというのだ。
「窮屈なのよね。定年になったら皆無理にでも引退させられて余生を過ごすことになるしね」
「確かラーゲリで」
「言うなら星域全体が老人ホームなの」
 それがラーゲリだというのだ。
「わかるでしょ、そうした場所って」
「暗そうですね」
「何回か慰問で行ったけれどそうよ」
 暗いというのだ。
「あまりいて気分のいい場所じゃないわ」
「お年寄りしかいないというのも」
「活気がないからね。やっぱり若い人とか子供には活気があるのよ」
 日本橋を見回しながら台湾に語る。
「ここは若い子ばかりよね」
「オタクとメイドのメッカです」
「煩悩渦巻く場所にしてもね」
「その煩悩もですか」
「なければ困るのよ、寂しいのよ」
 そうなるというのだ。
「とてもね」
「そうですか」
「そう、煩悩も活気の一つだから」
 それでだというのだ。
「そういうのがないから、星域全体が老人ホームだと」
「余生を送るだけの場所は」
「何の将来もないでしょ、夢も希望も」
 残された時間を過ごすだけ、そうした場所にそうしたものがあるかというとその筈もないことであった。リディアはこう言うのだ。
「だからね、何でも平等で差別もなくて管理されていると」
「かえってですね」
「よくないのよ。そういえば中帝国のリンファ提督だけれど」
「あの人ですか」
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