第十五話「入部希望者」
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イン
「ありがとう。ありがとう。ハヤト。」
ハヤト
「礼には及ばないさ。私は君を失いたくなかった。それだけさ。それだけ…私は利己的な考えを持っているようだ。君に感謝されるような人間では…」
シャイン
「いや、十分だよ。僕にとっては君は恩人かつ最高の友人…。それ以上は求めない。今のままの君が僕は好きだ。」
ハヤトは目を丸くし、僕を抱きしめた。耳元に入るそのかすかな声は、彼の本心から出たもの…。
ハヤト
「ありがとう。だって…?それを言うのはこっちの方だよ。ありがとう。あいにく私は君のように純粋な人間じゃない。君は…私より清らかな人間…。誰にでも救いの手を伸ばせる立派な男だ。君は…光。私にはできない可能性を秘めている。だから…君が、彼女を救え。君にしかできないことだ。」
僕はコクコクと頷くことしかできなかった。目の周りにたまるその涙の粒はついに限界値を超え、流れ出てきた。僕は…決めた。何があろうとも…僕は彼女を守ると…。それが僕にできるというのなら…僕は喜んでやる。
ハヤト
「もう一度、聞くぞ…。君のすべきことはなんだ?」
シャイン
「言うまでもないよ。それじゃ…。」
僕は最後に彼に手を振り、その場を後にした。今行くべきは部活動。メルの容態、部員の安否の確認を取るのが先だ。何かあってからではもう遅い。僕はそれを恐れ、足早に部活動へと向かった。
だが、部屋のドアを開くと僕の思っていた風景とは一転していた。
シィラ
「ぁ、先輩…。」
シャイン
「ん?どうした?ん!?」
僕の前には、シィラ、メル…そしてもう一人。ユウタなはずがない。ユウタは怪我を負ってしばらくは部活に出席できないような容態だったはず…じゃあこの後ろ姿は?
メル
「どうやら、入部希望者らしいのよ。」
シャイン
「へー。入部希望者か…。!?え!?今なんて!?」
僕は耳を疑った。こんなどうしようもなくふざけた部に入部希望者がいるなんて前代未聞だな。一体どういう人柄なんだ?
ライル
「俺がそうだ。入部希望者…隣のクラスのライルだ。よろしくな。」
シャイン
「ぁ…おぅ。」
思わず無意識に握手を交わしていた。本当に部への入部をしようというのか?僕は念入りに質問した。
シャイン
「本当に入るつもりなのか?」
ライル
「おぅ。」
シャイン
「僕だってよくわからないような部に?」
ライル
「おう? 男に二言はねぇ?」
うわ、こいつバカだわ。そして熱い。暑すぎる…。本当に隣のクラスなのか?こんな暑苦しいような奴なら僕の耳に入ってもおかしくないのに…。
シャイン
「…んなら…いいか。よろしくな。」
ライル
「おぅ。ぁ、そうそうちなみに部長は
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