第十五話「入部希望者」
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のように映し出されて行く。この風景からして過去に遡っているような、そんな感覚がした。そして懐かしくも思った。
シャイン
「これが…ハヤトの見てきたもの…。色々見てきたんだね…。それにくらべて僕は…。」
気が滅入ってしまいそうになる。圧倒的な劣等感が僕を支配する。僕にある空白の時間はなんだったのか再び思い知らされる。
シャイン
「こ、これは…。」
ふと、スクリーンが停止する。僕の目の前にある一面の風景…。これは…まさしく僕の求めていた真実。何が起きたのかが物語られる。
「シャイン?や、やめるんだ?」
「ウォオオオオオオッ?」
映し出されていたのは野獣とかした僕…そしてその猛者とかした僕に襲われるハヤトがそこにいた。その時、僕は驚愕していた。まさかメルと同じような症状が僕に出ていたなんて…僕は一体…。
「や、やめるんだ?シャインっ?シャインっ?」
___________________。
ここで映像は途絶えた。この後何が起きたのかのかはその映像が物語っていた。この映像はハヤトの意思によるものだとしたら…ここでハヤトは意識が飛んでいることになる。僕はハヤトになんてことをしてしまったんだ。
シャイン
「…。そうか。僕も…。」
シュイイイイイーン。
その映像の停止により僕は元いた世界へと引き戻される。そして彼の実体験の映像再生と共に僕は門から追い出され、現実へと終着する。
シューン…。
シャイン
「…。」
ハヤト
「どうだ?今、私の体験してきた映像を君に見せてやった。これが真実だ。」
シャイン
「真実…か。悪いな。僕は…君を…。」
ハヤトは俯く僕に対し、頭を撫でた。それも髪がボサボサになるくらいに…。
ハヤト
「いいんだよ。過ぎたことだ。過去より今を大事にするんだ。自分を見失わないように生きることが、君に託された使命だ。」
シャイン
「使命…。先生も言ってたっけな…。僕には使命があるとかなんとか…。」
ハヤト
「それはどうか知らないが…使命というのも悪くないぞ。私にだってある…。私はあの日から君を何があろうと守ると決めているんだ。」
シャイン
「ハヤト…お前ってやつは…。」
自然と涙が溢れ出そうになった。ハヤトのしてきた行動そのものが僕を制御することに繋がっていたと思うと…僕は…感謝のあまり、泣くだろう。だけど僕も泣いてはいられない。僕と同じ境遇にあっている人がいるんだ。今度は僕が守らなければならない。何があろうとも…唯一の理解者である僕が…彼女を制御していかなくてはならない。このハヤトのように…僕は人のために尽くしたい。それがハヤトに僕ができる唯一の恩返し。彼だってそうしてほしいと思っているはず…。
シャ
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