暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
A's編 その想いを力に変えて
40話:エクセリオンとザンバー
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「繰り返される悲しみも、悪い夢も…終わらせてみせる!」
「………」
〈 Photon lancer, genocide shift 〉
涙を流しながら見ていた管制人格は片手を広げ、魔道書に記録させている魔法を発動する。
管制人格となのはの周辺には、電気を帯びた黄色のスフィアが無数に展開される。
それを見たなのははレイジングハートを握りしめ、足下に魔法陣を展開し、魔力を放出する。
場所はまた戻り、フェイトの夢の世界。
大きな木の下で、アリシアは仰向けになりながら足をパタパタさせ、本を読む。フェイトはその側で、木に寄りかかりながら枝の合間から見える空を眺めていた。
そんな時、空から前触れもなく雷の音が聞こえてくる。少し向こうには、普通より黒い雲が広がっていた。その雲によって日差しは遮られ、一気に暗くなる。
「フェイト、帰ろう……フェイトってば」
アリシアは急いで立ち上がり、フェイトに声をかける。だがフェイトは、動こうとはしなかった。
「ごめんアリシア…私はもう少し、ここにいる」
「そうなの?…じゃ、私も一緒に、雨・宿・り♪」
そう言いながら、アリシアはフェイトの隣に座り、フェイトの肩に頭を預ける。
しばらくの間、雨の音だけが周りに響く。
「ねぇ、アリシア……これは、夢なんだよね…?」
すると、フェイトは唐突にアリシアに尋ねる。
「アリシアと私は、同じ時間を生きられない。あなたが生きていたら、私は生まれなかった」
「…そう、だね」
元の世界のプレシアは、亡くなったアリシアを生き返らせる為、プロジェクトFを使い、フェイトを生み出した。
ただ一途に、アリシアと再び過ごす時間を求めて。ただひたすらに、我が娘ともう一度合う為に。
「ねぇフェイト、夢でもいいじゃない。ここにいよう、ずっと一緒に」
アリシアは顔をのぞかせて、フェイトに語りかける。その目には少し、怯えのようなものが感じられた。
「ここでなら、私はフェイトのお姉ちゃんでいられる。ママやリニスだって、フェイトにうんと優しくしてくれる。家族皆で、楽しい事、いっぱいある。
フェイトが欲しかった幸せ、全部…上げられるよ?」
「私が…欲しかった、幸せ…」
「健康な体、愛する者達との日々。眠ってください。そうすれば、夢の中であなたはずっと、そんな世界にいられます」
優しく、温かい声。それは、強い眠気に襲われているはやてにとって、子守唄のようで。
「誰もあなたを傷つけない。悲しみも痛みも、何もない…そんな世界に」
「あぁ、そんなん…あったら、えぇなぁ…」
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