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魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜賢者の槍を持ちし者〜
Chapter32「激戦」
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そう信じている」
自らの過ちに気付いたなのは徐々に取り乱し始める。
ティアナが悩みを持っている事を知っていながら一方的に自分の想いを叫び、彼女を傷つけようとしてしまっていた事が今彼女にのしかかっていた。
「もっと周りを頼れ。フェイト達や俺に……高町なのは一等空尉としてではなく、1人の女の子高町なのはとして」
柔らかい表情に笑みを浮かべたルドガーが、左手をなのはに差し伸べる。
その姿を見たなのはは自然と気持ちが穏やかになり、微笑んでいた。
「あまり他の女の子にいい顔してるとはやてちゃんに怒られるよ」
「?」
何故ここではやてが出てくるのか理解できないルドガー。
そんなルドガーを見てやっぱり鈍いなと思いながら、ルドガーの手を取ろうとする。
しかし……
「え?」
なのははルドガーの差し伸べる手を掴めなかった。
手に触れようとした瞬間、ルドガーが前のめりに崩れ、地面に両膝をついたからだ。
「ううっ…ぐあっ!」
「ルドガー君!」
慌て苦しみ出すルドガーに駆け寄るなのは。ルドガーは胸元を押さえ、空を見ながらもがき苦しんでいる。
『なのは!どうしたの!?』
「わ、わからない!突然ルドガー君が苦しみだして……」
現場を別の場所から見ていたフェイトから通信が入り説明を求められるも、なのは自身状況がうまく理解できていないため説明などできるはずもない。
「とにかく、シャマル先生に連絡を---」
「ぐっ……ぐああああっ!!」
苦しみあまり絶叫するルドガーになのはと通信越しに見ているフェイトも驚かずにいられない。
そして更になのはは目を疑う光景を目にする。
ルドガーの右側の額から目元にかけて黒い霧のようなのものが溢れ出ているのだ。
「ぐっ!お、俺は……俺はまだ消える、訳には……!」
力が入りにくい拳に今出せるだけの力を込め強く握りしめ、その拳を額目がけて殴りつけた。
皮膚が裂け辺りに赤黒い血が飛び散り、その光景になのはは息を飲む。
「はぁ…はぁ……ハッハッ…驚かせてごめん……けど、もう…大丈……夫……」
「ルドガー君!?」
それを境にバタンと音を立て倒れる。
沈みゆく意識の中この場にいるはずのないはやてが、自分に向け懸命に呼び掛けている姿が浮かぶが、それが夢なのか現実なのかルドガーにはわからなかった。
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