届け あの空に
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「けど・・・元に戻らねぇのか・・・?」
「そんな・・・」
「いいえ、これで元通りなのよ。でしょ?」
「あぁ」
エルザがいつもの鎧に戻る。
「邪気の膜は彼らの『姿』ではなく、彼らの『記憶』を冒していたのだ」
「記憶?」
「そう。『夜になると悪魔になってしまう』・・・という、間違った記憶ね」
ナツは意味が解っていないようだが、ルーシィは解ったようだ。
「ま・・・ま・・・まさか・・・」
「そういう事よ」
ティアが呟き、エルザが頷いて続ける。
「彼らは元々悪魔だったのだ」
その言葉にナツは愕然とし、ルーシィは悲鳴を上げて座り込み、あの驚いているかどうかよく解らないルーでさえ、あんぐりと口を開けていた。
「ま・・・マジ?」
「う、うむ・・・まだちょいと混乱してますが・・・」
グレイが村人の1人に訊ねる。
「彼等は人間に変身する力を持っていた。その人間に変身している自分を本来の姿だと思い込んでしまったのだ。それが月の雫による記憶障害」
「でも・・・それじゃあリオン達は何で平気だったの?」
「アイツ等は『人間』でしょ。どうやらこの記憶障害は『悪魔』にだけ効果があるみたいね」
ティアが肩を竦める。
「あの遺跡に村人だけが近づけないのも、彼等は悪魔だからだ。聖なる光を蓄えたあの遺跡には闇の者は近づけない」
そうエルザが説明を終えると、誰かがやってきた。
「さすがだ・・・君達に任せてよかった」
その男は、悪魔だった。
「魔導士さん、ありがとう」
それは村人の1人であり、ナツ達をこの島の途中まで連れてきてくれた船乗りであり、死んだと聞かされていた村長の息子・・・ボボだった。
「ボ・・・ボボ・・・」
「「幽霊!」」
「あああああっ!」
「船乗りのオッサンか!?」
突如現れたボボにモカは震えながら呟き、ルーシィはハッピーを抱え、ルーはそんなルーシィをハッピーごと抱きしめ、グレイは驚愕の声を上げた。
「え・・・!?だって・・・えぇ!?」
「胸を刺されたくれェじゃ、悪魔は死なねェだろうがよ」
驚愕する村人に、豪快に笑ってみせるボボ。
「あ、あんた、船の上から消えたろ・・・」
グレイが問いかけると同時に、しゅっとボボが消えた。
「あの時は本当の事が言えなくてすまなかった」
「おおっ」
ボボは羽を広げ、空を飛んでいた。
船から消えたのは、空を飛んでいたからだろう。
「俺は1人だけ記憶が戻っちまってこの島を離れてたんだ。自分達を人間だと思い込んでる村の皆が怖くて怖くて。ははっ」
笑いながらそう語るボボを見て、モカは涙を浮かべる。
そしてボボの様に羽
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