届け あの空に
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それをぶん投げて月を壊すのか!うおおっ!すっげ!」
それを聞いたルーシィ達が『イヤイヤ・・・無理だから・・・』と思ったのは言わずとも解るだろう。
もちろん、エルザもただ槍を投げるだけで月に届くとは思っていない。
「しかしそれだけではあそこまで届かんだろう。だからお前の火力でブーストさせたい」
「?」
「石突きを思いっきり殴るんだ。巨人の鎧の投擲力とお前の火力を合わせて月を壊す」
「おし!解った!」
「いくぞ」
それを聞いたルーシィとグレイは小さく震える。
「2人とも、なんであんなにノリノリなんだよ・・・」
「まさか本当に月が壊れたりしないよね・・・」
「壊れるんじゃない?エルザとナツだし」
「月は壊れないわ、絶対に」
「?ティア?」
「絶対」とまで断言するティアを、ルーが首を傾げて見る。
が、それ以上ティアは口を開かない。
その間にも、エルザは槍を構えていた。
「ナツ!」
「おぉう!」
炎を纏った左の拳で、ナツは石突きを思いっきり殴る。
「そらぁ!」
それを見た全員が目を見開く。
「届けェェえええええっ!」
エルザの叫びに応える様に、破邪の槍はドグォンという漫符を見せるかのように勢いよく空へ上る。
そのまま空へと飛んでいく破邪の槍は、強い光を放ちながら月へ向かい、光った。
そして、ピキィ、とヒビが入る。
『おおおおおっ!』
「「うそだぁーーーーーーーーーーっ!」」
「つ、月が割れたぁっ!?アルカの為に写真撮っておかなきゃ!カメラカメラ・・・」
月にヒビが入ったのを見て歓喜する村人達、驚くルーシィとグレイ、慌ててカメラを探すルー。
ピキピキィ、とヒビは徐々に大きくなっていく。
そして、パキィィィィン、と割れた。
割れた・・・のだが。
「え!?」
「月!?」
「これは・・・」
そう。
割れたはずの月が、姿を現したのだ。
しかも紫ではなく、キラキラと輝く黄金の光を帯びて。
「割れたのは月じゃない・・・」
「空が割れた・・・?」
紫色の「それ」は欠片となって落ちていく。
「どうなってんだ!コレぁ!」
「この島は邪気の膜で覆われていたんだ」
「膜?」
ハッピーが繰り返す。
「月の雫によって発生した排気ガスだと思えばいい。それが結晶化して空に幕を張っていたんだ。その為、月は紫に見えていたという訳だ」
エルザが説明を終えると、村人が綺麗な光に包まれる。
「邪気の膜は破れ・・・この島は本来の輝きを取り戻す」
光が消える。
そして村人たちの姿は元に・・・。
「・・・」
「あ」
「・・・」
「あれ・・・」
戻らなかった。
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