届け あの空に
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ばらくは会わないだろうな」
「それを願っているわ」
捻くれた言葉を吐き、その場を後にしようとする。
・・・が、途中でピタッと足を止め、ポシェットから箱を取り出し、リオンの横に置いた。
「?何だこれは」
「救急箱」
それだけ呟き、くるっと背を向ける。
「勘違いしないでよ?アンタの事なんか、微塵も心配してないんだから・・・ただ、傷だらけのアンタを放っておいたら、後々恨まれそうだから置いていくだけよ」
そして典型的はツンデレ発言を残し、足早に去っていった。
その後ろ姿を見届け、救急箱に目を移し、溜息をつく。
「・・・全く。素直じゃない所も、変わらんな・・・」
一方、こちらは村の資材置き場。
村を消された為、ここに村人がいるはず、なのだが・・・。
「あれ?誰もいない」
「ここに皆いたのか?」
「村が無くなっちゃったからね。でも・・・どうしたんだろ」
「おーい」
ハッピーが叫ぶが、返事はない。
「とりあえず、傷薬と包帯貰っとくぞ」
「あ、グレイ。手伝うよ」
「悪ィな、ルー」
テントから傷薬と包帯を取り出し、傷の手当てを始める2人。
するとそこに、1人の村人が走ってきた。
「皆さん!戻りましたか!?た、大変なんです!」
「!」
「と、とにかく村まで急いでください!」
「な、何これ・・・」
「昨日・・・村はボロボロになっちゃったのに・・・」
「元に戻ってる・・・」
上からルーシィ、ハッピー、ナツが驚愕の声を上げる。
そう。
昨日シェリー達の毒毒ゼリーによって、村はほぼ壊滅状態へと陥ったはずなのだ。
が、来てみればどうだろう。最初に村に来た時と同じ状態になっていた。
「あら、アンタ達。遅かったじゃないの」
「ティア・・・あれ?僕達について来てたんじゃないの?」
「個人的な用があったのよ」
言い寄ってくる村人の男達を追い払いながら、ティアが呟く。
「どうなってんだコリャ・・・まるで時間が戻ったみてーだ!」
「せっかく直ったんだし、アンタは触らないほうがいいと思う」
家の壁を容赦なくガンガンと殴るナツにルーシィがツッコむ。
「時間?」
ナツの頭に『ほっほっほっほっ』と笑うザルティの姿が思い浮かぶ。
「まさかな・・・いや・・・改心したとか・・・」
少しの間考える、が。
「ま・・・いっか」
「あいさー」
長々と考えるタイプではないので、すぐに考えるのをやめた。
「そーだ!」
「僕達の荷物っ!」
ルーシィとルーが駆けだす。
と、その目にボボの墓と、その前に座るモカが映った。
ギロッとモカが2人を睨む
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