赴任
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寝足りないようだ。キョウスケは自分の肩の上ですやすやと寝息を立てる妹に教鞭が取れるのか不安を覚えながらIS学園を見た。着実近づいている、自分が決別を決めたISっという存在で溢れる場所へ、この世界を変えてしまった要因の一人が居る場所、皮肉にも決別を決めたもののほぼ中心に自分との婚約を約束した女性が居る。どうも複雑な気分だった。でももう背中を向けるのはやめようと決めた。もうこの篠ノ之 束と織斑 千冬っという宿命からは逃げる事は出来ない。
「そうだな、覚悟とやらを決めてみるのも悪くないかもしれんな」
「まもなくか、新しく赴任してくる教師が来る時間は」
元世界最強の双璧、戦乙女と呼ばれたIS操縦者 織斑 千冬は校門にて本日来ると連絡を受けた新任教師を出迎えをしていた。何故自分かと尋ねてみたが学園長は笑って直ぐにわかるというだけだった。
「あれか」
千冬は前からやってくる二人の人影を見て、それが新しく来る教師だと確信した。が、それは直ぐに驚愕と歓喜へと変換されていた。千冬の視線は一人の男にガッチリと固定されていた。背が高くて自分を包み込んでくれる感覚、凛々しくキリッとした顔立ち、千冬は自分の中に溢れ出して来る思いを押さえつける事が出来なくなっていた。その二人が自分の真ん前に近づいていた時にしっかりと顔を見た。
「本日この学園へ赴任してきたキョウスケ・ナンブとアルクェイド・ナンブだ。宜しく頼む。そして…久しぶりだな千冬」
「キョウスケェ!!」
千冬は自分の中に溢れ出して来た感情を制御する事が出来ずにキョウスケに抱きついた。キョウスケは荷物を落として千冬を優しく受け止めて、背中に手を回して抱きしめた。自分よりも背が低い千冬はキョウスケに包み込まれるように抱きしめられていた。だがその包み込むような感触が千冬に強い安心感とこれが現実なんだと教えてくれる。
「ああ…キョウスケ、キョウスケ!本当にキョウスケなんだな!!?」
「ああ、俺はしっかりと生きているぞ」
「ねぇ、ラブシーンしてるのはいいんだけど、好い加減にしてよ」
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