暁 〜小説投稿サイト〜
DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 五章
五章 導く光の物語
5-47隠されるもの、守るもの
[1/6]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
 洞窟の宝を入手して戦力を更に高めた一行は、また船旅を続ける。
 大陸の岸に沿って南下し、そこから西に進み、行き当たった川を上って北上し、とうとう村らしきものを発見する。

「地図でいったら、アネイルに近いのだけれど。船が無いと来られないし、こんなに山に囲まれているのではね。知られていないわけね。」
「あの夢の通りにデスピサロの奴めが娘を匿っているのだとすれば、これほど都合の良い場所も、なかなか無いであろうの」

 話しながら、村へと足を踏み入れる。


 少々風変わりながらも長閑(のどか)な村の風景の中、風変わりという言葉では済まされない村人たちの姿に、一行は一瞬言葉を失う。

「……なんだか。村の人たちが、小さい、みたい。……子供、じゃないよね?」
「小せえが、おっさんだな」
「これは……そういう種族なのかな?」
「うむ。あれは、ホビット族じゃの。人間の村に紛れて暮らす変わり者程度ならば、見かけたことがあるが。ホビットの集まる村とはの。驚いたの」
「珍しいが、あまり強そうでは無いな」
「ホビットは、穏やかに暮らすことを好む種族と聞いたことがあります。確かに、荒事には向かない方たちなのでしょうね」
「成る程。守備に付く者も居らぬとは、(いささ)か不用心ではありますが。住民全てが穏やかならば、犯罪や揉め事等の心配も要らぬのでしょう。村自体も目立たぬ立地にあるゆえに、外部との軋轢も少ないでしょうし。なかなか、良い村ですな」
「そうね!変わった村だけれど、あたしたちを見て警戒するということも無いようだし。少し、お話を聞いてみましょう!」


「ここはロザリーヒル。オレたちホビット族が住む村だよ」
「やはりそうであったか。人間は、おらぬのかの?」
「この間、人間のじいさんがやってきて、村で店を始めたよ。全く人間ってのは商売が上手いよな!あとはたまに、旅人が紛れ込んでくるくらいだな。今も宿に泊まってるはずだが。こんな村に来ても、何も無いのにな。今はロザリーもいないし」
「ロザリーさん、ですか?」
「ああ。昔、この村に住んでたエルフだよ。流す涙がルビーになってね。だから悪い人間に狙われて、いつも虐められてはルビーの涙を流してたんだ。オレたちじゃ助けようにもできないし、本当に可哀想だったよ。ピサロ様が助けてくれて、本当に良かった」
「そのロザリーもピサロも、今はこの村にはいないんだな?」
「そうだな。ロザリーはピサロ様がどこかに匿ったし、ピサロ様はピサロ様でいつの間にかいなくなっちまったし。たまに塔の教会に戻ってきては、なんかやってたみたいだが。それも最近じゃ、見ないなあ」
「この村に、塔があるのですね」
「ああ。あの塔も、ピサロ様が作ったものでね。なんでも、大切なものを隠すために作ったとか。見たところそれらし
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ