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DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 五章
五章 導く光の物語
5-47隠されるもの、守るもの
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を上げる。

「我が(しもべ)!アイスコンドルよ、来い!」

 戦士の呼びかけに応じ、窓からアイスコンドルが二体舞い込んでくる。

 少女が瞬時に記憶を探る。

(アイスコンドル……凍える吹雪と、たまに痛恨の一撃!)

「みんな!息と強い攻撃に気を付けて!ライアン、戦士を抑えて!アリーナはわたしと、先にアイスコンドルを」
「承知」
「わかった!」

 ライアンはひとり戦士に向かい、アリーナと少女はアイスコンドルにそれぞれ攻撃を仕掛ける。
 ブライがマグマの杖を振りかざして弱いながらも敵全体に爆発魔法のダメージを与え、トルネコも破邪の剣の火炎魔法でアイスコンドルを攻撃する。

 距離を取って身を守りながら、クリフトがミネアに話しかける。

「私たちも、攻撃したいところですけど。半端に攻撃して反撃を受けては、回復も出来ない今、かえってご迷惑になりますね」
「静寂の玉の効果も、永続はしません。今は耐えて、効果が切れるのを待ちましょう」
「また使われちゃ、意味がねえがな」
「そこは、ライアンさんが抑えてくれると信じよう」

 一度凍える吹雪を吐かれるも、フバーハの効果で大事には至らず、アリーナが繰り出した会心の一撃もあってアイスコンドルが倒れる。

「魔法が、使えるようになりましたわ!」
「今のうちに、回復しましょう!」
「おし、今のうちだな!」
「うむ、目にもの見せてくれようぞ!」

 クリフトとミネアが手分けして仲間たちを回復し、マーニャは重ねてルカニを、ブライは更にバイキルトを唱える。

「くっ!小癪な!」

 苛立ち、また静寂の玉を使おうとした戦士にライアンが斬りかかり、使用を阻む。
 動作を中断させられて体勢の崩れた戦士にトルネコが忍び寄り、静寂の玉を奪い取る。

「あら、ごめんなさい!」
「な!なんという、卑怯な!」

 焦った戦士は再び仲間を呼ぼうとするも、前衛の三人に集中して攻撃され、声を上げる隙も見出だせない。
 前衛の攻撃の合間を縫うようにマーニャとブライも攻撃魔法をぶつけ、粘っていた戦士もダメージが蓄積し、とうとうその場に崩れ落ちた。

 倒れ伏した戦士が、死の淵で切れ切れに呟く。

「くっ……卑怯な……汚い、人間どもが……。ロザリー様に、近付くことは、この俺が……許さ……ぬ……。……ピサロ様。申し訳……ありません……」

 命尽きるまであくまで一行の前に立ち塞がり、戦い抜いた戦士は、届かぬ謝罪の言葉を遺して息を引き取った。

 全てを見届けた少女が、呟く。

「……この、ひと。悪いひとじゃ、なかった、よね……?」
「……そうですね」
「……戦わないと。いけなかったのかな」
「……そうしなければ、私たちが殺されていました。私たちは、死
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