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DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 五章
五章 導く光の物語
5-47隠されるもの、守るもの
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ゃ、吹くぞ」

 夢で見た仕掛けのあった場所に全員が移動したのを確認し、マーニャが笛を吹き鳴らす。
 夢で聴いた通りの、美しくも不思議な旋律がマーニャの構えた笛から紡がれて、これも夢の通りに地面の仕掛けが作動する。

 立っていた場所が地面の下に沈んでいくのを見ながら、ライアンが呟く。

「本当に、夢の通りになりましたな。ならば、この先には」
「ええ。きっと、ロザリーさんがいるのでしょうね。」


 地面に沈み込んだ床は更に地中を移動し、一行を塔の地下に残して再び元の広場に戻っていった。

 ロザリーがいると思われる最上階を目指して階段を上り、たどり着いた部屋の前には甲冑に身を包んだ一人の戦士が立ち塞がっていた。

 一行を目にした戦士が途端に殺気を発し、大声で宣言する。

「貴様らが何者かは知らぬが、例え何者であろうとも!ここを通す訳にはいかぬ!この場所の秘密を知られた以上、生かして帰す訳にもいかぬ!要らぬ好奇心を持った己が身を呪いながら、死ね!」

 問答無用とばかりに一方的に言い放ち、瞬時に距離を詰めて斬りかかってくる戦士の前にライアンが立ちはだかり、ドラゴンシールドで攻撃を受け止める。

「この俺の一撃を止めるとは……!なかなか出来るが、ならば余計に逃がす訳にはいかぬな!」
「待て!我々は、争いに来た訳では無い!ここに居られるロザリー殿に」
「やはりロザリー様が狙いか!やはり、死ね!人間どもめ!」

 急所を狙い、攻撃を重ねる戦士に対し、反撃せずに受け流し続けるライアン。

「くっ……このままでは……!」
「ライアン!もういいだろう!手加減して勝てる相手では無い!俺も行くぞ!」
「後味が悪いが、仕方ねえ。先に手ぇ出してきたのはあっちだからな。やるが、いいな?」
「仕方ないね、僕らも死ぬわけにはいかない」

 アリーナの加勢を受けてライアンも反撃に転じ、マーニャが守備力低下魔法(ルカニ)、ブライが攻撃力上昇魔法(バイキルト)、クリフトが守備力上昇魔法(スクルト)、ミネアも念のためと氷炎防御魔法(フバーハ)を唱えて補助に入る。

 戦士が大きく剣を振り抜き、ライアンとアリーナが避けたのに合わせて戦士も大きく距離を取る。

「卑怯な人間どもめが!多勢で押せば、勝てるとでも思ったか!これでも食らえ!」

 言いながら取り出した宝玉を天に(かざ)す。
 宝玉が光を放ち、一行を照らし出す。

「あれは!静寂の玉!」
「なんと!」
「ちっ!魔法が封じられた!」
「そんな!」
「ライアンとアリーナ以外は、下がって!わたしも、出る!」

 少女の指示で魔法が主体の仲間たちが後ろに下がり、ライアン、アリーナに加えて少女の前衛組が、改めて距離を詰めようとしたところで、戦士が大声
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