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DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 五章
五章 導く光の物語
5-47隠されるもの、守るもの
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謝しなくっちゃ!」
「進化の秘法、だと……?」
「……進化の秘法に、こんな使い方が……」
「……バルザックの野郎に使ったようなのよりゃ、マシだが。いま喜んでるからって、いいことばっかじゃねえだろ。犬猫が賢くなるとか、自然にそうなるなら必要なことかもしれねえが。面白半分に手ぇ出していいことじゃねえだろ、こんなもん」
「……そうだね。やっぱりあれは、人間にしろ魔族にしろ。神ならぬ身で、使っていいものじゃない」
「ああ。オレたちのやるこた、変わらねえ。親父の遺志を継いで、消すだけだ」


「ここは、ホビットと動物たちの教会。あなたたち人間の来るところではありません。立ち去りなさい」
「あら、やだ。そうなんですのね、ごめんなさい。すぐに帰りますけれど、少しだけ。昔、この村には魔族の方もいたと伺いましたけれど。今はもう、おられないのかしら。今はホビットさんと、動物さんたちしか。」
「……確かにかつて、この村にはピサロという魔族の若者が住んでいました。世界を支配するなどという野望を抱いて、村を出て行きましたが……」
「あら、まあ。世界をねえ。こんな穏やかな村にいて、なんでまたそんなことを。」
「……今は穏やかなこの村も、ずっとそうであったわけでは無いのです。悪い人間たちが訪れては、村に住むエルフのロザリーを虐めていて。あのピサロが、ロザリーにだけは優しい笑顔を見せていたことを思えば……私には、わからないでも無いのです」
「そんなことが、ありましたのね……」
「……ですから。あなたがそのような悪い人間では無いのは、見ればわかりますが。やはりこの教会に、人間を受け入れたくは無いのです。どうか、お引き取りください」


 手分けして話を聞き回った一行は塔の前の広場で落ち合い、情報を交換する。

「ロザリーさんも、ピサロという魔族も。確かにいたけれど今はいない、ということになっているみたいねえ。」
「ですが、この塔は。間違いなく、夢で見たものですよね」
「ピサロがこの塔に、大切なものを隠しているという話だったな」
「ロザリーさんを、どこかに匿ったというお話もありましたね」
「ロザリーさんみたいな、きれいなお姉さんが、この塔にいるって聞いた」
「ならば、夢の通り。笛でも吹き鳴らせば、道が現れるのでは無いのかの」
「笛っていや、あれだな。サントハイムで姐御が目を付けた、妙な笛」
「ああ、これね。あやかしの笛という名前だけれど、使い道はわからなかったのよね。」

 トルネコが差し出した笛を、マーニャが手に取る。

「よし、とにかく吹いてみようぜ。あんな感じで、鳴らしゃあいいんだろ」
「マーニャは、笛も出来るのか。ミネアが吹くのは聴いたが」
「兄さんのほうが上手いんですよ、本当は」
「あの程度、上手いも下手もねえだろ。じ
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