反董卓の章
第2話 「全部、俺のせいか! くそっ……!」
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君が……?
「お二人は、亡き霊帝陛下より、いざとなれば月を頼れと言われていた……そう使者は言っているわ。多分、嘘でしょうけど」
「詠ちゃん……」
「あの張譲のことだもの……人のいい月につけこんで、自分の手を汚さずに洛陽を取り戻す気よ。月、私はあの使者を殺して追い返そうと思う」
「!? 詠ちゃん、ダメ!」
殺す!?
使者の人を殺すの!?
「なんでよ、月! 張譲のことだから、仮に私達が洛陽を奪還できたとしても、難癖つけて月は排斥される! ううん、下手すると殺されるのよ!?」
「そ、そんなこと……でも、小帝陛下が私を頼ってきたんでしょ? だったら……私は小帝陛下のために、できることをした方がいいと思う」
「月っ!?」
詠ちゃんが悲鳴に似た声を上げる。
わかってる……あの張譲さんが、そんなに甘くないってことは。
でも……でも……
「霊帝陛下には、私なんかをお傍においてくださったご恩があるの……そのお子である小帝陛下を助けるのは、私達にとって恩返しだと思うの……」
「ゆえぇ……」
「ごめんね、詠ちゃん……でも、私は、私を頼ってくれた人を裏切りたくはないの。例え、裏切られたとしても……」
まだ幼い小帝陛下……そして、その弟君であらせられる陳留王様。
その方を守ることが……亡き霊帝陛下への、恩義を果たすことだもの。
「……………………………………わかった。なら、月はこのまま長安にいて。洛陽へは……私が名代として、霞と華雄を連れていくわ」
「詠ちゃん……それは無理だよ。仮にも皇帝の勅命だもの。私が行く必要があるの」
「でも、それじゃあ……っ!」
「大丈夫だよ。私には、詠ちゃんも、霞さんもいるんだもん。それに洛陽には丁原おばさまがいるし」
「確かに、丁原様が并州刺史の頃によくお世話にはなったけど……執金吾になった後、連絡はとれていないのよ?」
「大丈夫だよ、詠ちゃん……丁原様は、きっと味方になってくれるよ」
あの方は、純粋な方だったもの。
その配下にいた呂布さんも……
「……わかった。何があっても、月だけは守るから。絶対、ボクが守るから……」
「詠ちゃん……ありがとう」
詠ちゃんの決意した言葉に、私はお礼を言います。
よかった……
小帝陛下……陳留王様……
貴方のお父君から受けた御恩は、この董仲穎が必ずお返しいたします。
例え、私がどうなろうとも……
―― 左慈 side ??? ――
さて……これで董卓が洛陽に入ったわけだ。
あとはいつもどおり十常侍の残りを始末して、その罪を董卓になすりつけるように袁紹を誘導して……
ふむ。
ついでだ……公孫賛が参加しやすいように、劉虞の蛮行
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