反董卓の章
第2話 「全部、俺のせいか! くそっ……!」
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「ふっ……なにをとは、また無粋な。決まっておるではないか?」
そう言って、星が自身の持つ盃を傾ける。
……そうか、お主もか。
「そういう愛紗も……珍しく酒を持っておるのだな」
「私とて飲みたい時もある…………隣はよいか?」
私の言葉に、星は黙ってその場から横にずれた。
私は、星の隣に座り……酒を自分の持ってきた盃にいれて、一気に煽る。
「ふう……」
「ふっ……乱暴な飲み方だ。愛紗らしくもない」
「私らしい……か。所詮、私は武骨者だ」
思わず自嘲しつつ、再度盃に酒を注ぐ。
その酒も、すぐさま飲み干した。
「……それでは酒がまずくなる。愛紗よ……何事も『風流』を考えることだ」
「…………そんなもの、考えたこともない」
「やれやれ……これではご主人様も苦労するというものだな」
「ご、ご主人様は関係なかろう!?」
思わず声を荒げる。
私の様子に、きょとんとした星が、すぐに笑い出した。
「くっくっく……武骨者とはいえ、乙女心は別物ということか。いやいや、愛紗……先程の言葉は訂正する。十分、愛紗らしい」
「〜〜〜〜〜〜っ!」
ぐいっと盃を傾け、その中身を臓腑へと落としこむ。
駆けつけに三杯空けてしまった為か、私の顔がかぁっと紅くなっているのがわかる。
「いやいや……それは誤魔化しだろう」
「う、うるさい! 私は………………その」
「はっはっは………………ああ、すまんすまん。お互い、今日は……静かに飲みたいものな」
「……星」
星が自嘲気味に苦笑して、自身の盃を煽る。
その言葉の意味に気づいて……私は、静かに座り直した。
「……桃香様が、白蓮殿への援助をしないことに決めた」
「……………………そうか」
私の言葉に、星は静かに目を閉じた。
「…………星はいいのか?」
「はっ……私が何を言えようか。私は伯珪殿を裏切って、桃香様の元に来た身……今更、伯珪殿の処遇に何が言えようか」
「星、お前…………まさか、真名を返上したのか?」
そう言えば……星がこの梁州に来て以来、白蓮殿の真名を口にしていない。
以前から時折、字と真名を交互に言っていたことはあったが……
「ふっ……裏切った私が、真名を戴いたままでいられると?」
「……白蓮殿は、そんな器量の狭い方ではなかろう。元々、客将としていたのだ。客将とは、一時身を置くだけのもの……例え、途中で離れたとしても、それは双方同意の上。何ら卑下するものではないだろうに」
「いや……私は、劉虞の所業に許せなかったのではない。伯珪殿に……許せなかったのだ」
「星……?」
星が渋面の顔になる。
あの白蓮殿が、許せなかった……?
「伯珪殿は……あれだけ伯珪殿自身
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