BURST
[3/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
にいた4人は声のする方を向く。
そこにいたのは、少女の人影。
「誰だ!」
リオンが叫んだ。
コツ、コツ、とブーツの音を鳴らし、人影の姿が露わになる。
白い大きめの帽子から、宝石を埋め込んだような澄んだ青色の瞳が覗いた。
「ナツ、ルー、それからグレイとその兄弟子。アンタ達は何もしなくていいわ」
猫のような目で悪魔を睨むその少女。
「ティア・・・」
ルーがその名を呟いた。
ティアは唖然とするナツとルー、グレイ、傷だらけのリオンを冷めた目で見つめると、腕を上げたデリオラを見つめた。
「リオン、見なさい。アンタが復活させようと思っていた者を」
その言葉にようやく全員がデリオラを思い出し、目線を向ける。
威勢よく拳を振り上げたデリオラは・・・突然、ピタッと動きを止めた。
と同時に・・・。
ゴボッと腕が崩壊する。
「え!?」
リオンが声を上げた。
腕だけではない。体、顔・・・全身にヒビが入っていく。
「な・・・」
パキパキパキパキ、バキィ、ボゴォッと音を立て、デリオラが崩れていく。
「な・・・何だ!?」
「デリオラって、こんなに脆い悪魔なの!?」
驚いている間にも、デリオラは顔の左側まで崩れていた。
「バ・・・バカな・・・」
デリオラの振り上げていなかった方の腕が崩れ、胴体から離れ、落ちた。
「そんな、まさか・・・」
崩れたデリオラの顔の左側が、落ちる。
そして、リオンが叫んだ。
「デリオラは・・・すでに死んで・・・」
そう言い終わる時には、デリオラにあの凶悪の姿は残らなかった。
残ったのは、かつて厄災の悪魔と恐れられた・・・デリオラの、生命の無い残骸だけ。
それを見たグレイは小さく震え崩れゆくデリオラを見つめ、リオンは悔しそうに目を閉じた。
ドドドドドド・・・とデリオラの崩れた残骸は氷と化したウルだった水の中に落ちる。
「10年間・・・ウルの氷の中で命を徐々に奪われ・・・」
ナツもルーも驚きの表情で崩れたデリオラを見つめる。
ティアは1人、表情を変えずに岩に背を預けて立っていた。
「俺達は・・・その最後の瞬間を見ているというのか・・・」
そう言うと、リオンは思いっきり地面を右の拳で殴った。
「敵わん・・・俺にはウルを超えられない」
師匠の、ウルの凄さを改めて目の当たりにし、涙を流しながら。
「絶対氷結・・・如何なる爆炎の炎をもってしても溶かす事の出来ない氷。術者が己の身を氷にする事で、標的を封じる。そして、長時間かけて標的を・・・風化させる。だからアンタがやって
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ