第十二章
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が生じ船は真っ二つになり沈没したこの際多くの船員が船と運命を共にしている。その数千百二十一名であった。その沈没の原因は放火とされるが今ひとつよく解からない。不明な点も多い事件であった。
その後靖国神社や高野山にレリーフや碑文が贈られた。船と共に海に沈んだ英霊達は今静かに眠っている。
この砲塔はその主砲塔である。爆沈後に引き揚げられたものではなく軍縮条約の時に取り外されたものである。
「何か妙だな。ごく普通の砲塔なのに」
「まあああいう事故のあった艦の砲塔ですけれどね」
二人がそういった話をしていた時だった。不意に後ろから声がしてきた。
何しとるんですか?」
中年の髪の黒い男性である。顔は見た事がある。大熊三佐という。この人も教官の一人だ。
「いえ、ちょっとこの砲台が気になりまして」
役が答えた。
「おお、流石ですな。やはり気付かれましたか」
大熊三佐は笑って言った。
「えっ!?」
その様子に二人は目を点にした。それを見ても笑っている。どうやらその様子が楽しいらしい。どうも少し人が悪いところがあるらしい。
「実はこの砲台には面白い話がありまして。夜の十二時になると旋回するらしいのですわ」「本当ですか!?」
その話に二人は驚いた。
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