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ヘタリア大帝国
TURN94 ソビエト参戦その十二
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 しかし幸い爆発はせず突き刺さった形になった。それでリディアは命拾いをした。
 だが戦闘不能になったことは確かだ、それで言うのだった。
「こうなったら仕方ないわね」
「降伏ですか、ここは」
「そうされますか」
「うん、もう皆シベリアまで撤退したからね」
 任務は果たした、それならというのだ。
「降伏しましょう」
「はい、わかりました」
「それでは」
「とりあえず降伏を打診してね」
 それだというのだ。
「この艦から脱出しましょう」
「ええ、何時爆発するかわかりませんから」
「それでは」
 こうしてだった、リディアは枢軸軍に降伏することになった。
 ソビエト軍の最初の大規模な攻勢は失敗に終わった、報告を聞いたカテーリンはモスクワでぷりぷりとして怒った。
「とりあえずシベリアに戻った皆は一時間立ってなさい」
「全員ですか」
「そう、全員よ」
 こうゲーペにも言う。
「ジューコフ元帥も祖国君もよ」
「敗北の責でしょうか」
「負けたのは事実だし降伏した人達を助けられなかったからよ」
 カテーリンはむしろ後者を問題視していた。
「だからよ」
「わかりました、それでは」
「皆一時間直立不動で起立」
 その罰を正確に言う。
「それから再編成にかかります」
「畏まりました」
 ゲーペはカテーリンに敬礼して返した。
「それではその様に伝えます」
「お願いします先生、いえ長官」
 咄嗟に言い換えもする、ミーリャがそのカテーリンにこの話を言って来た。
「あとカテーリンちゃん」
「どうしたの?」
「ドクツのヒムラーさんが海賊を雇ったらしいよ」
「海賊?」
「そう、レッドファランクスね」
「レッドファランクスって各地を荒らしているあの」
「そう、何でもヒムラーさん海賊の人達と知り合いだったらしくて」
 それでだというのだ。
「協力を取り付けたらしいのよ」
「傭兵に雇ったのですね」
 ベラルーシが言って来た。
「そうですね」
「そうなの、私達の援護に回るらしいよ」
「海賊は許せないけれど」
 潔癖症のカテーリンが許す筈もない存在だ、だがだった。
「それでもね」
「うん、傭兵ならいいよね」
「満州での戦いの援護に回ってくれたら」
「そうヒムラーさんに伝えておくね」
 こうした話をしてだった。
「こっちに回して欲しいって」
「うん、お願い」
「まずは満洲を陥とさないと駄目だから」
 ソビエトから攻めるにはまずは満洲を攻略しなければどうにもならない、これは地政学的な要因からである。
 枢軸軍は満州での戦いに勝ったがそれで終わりではなかった、連合軍はまた新たな手を打とうとしていた。


TURN94   完


                           
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