第六十一話 デスティニープラン
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を見せながらも必死の抵抗しようとしていた。
◇
「やっぱり、あのデュランダル議長っていう人はこんな政策を考えていたんだね……」
月都市のコペルニクスに無事辿り着くことの出来たアークエンジェルのクルーは神妙な面持ちでデスティニープランに対して難しい顔をしていた。
「決められたことに従って行動すれば平穏な人生が得られる……一見、皆幸せに成れそうな気もするけど――――」
才能ある人間がその才能に向いていることを行い、自身の本当の能力を発揮する。確かにこれだけ聞けば素晴らしい政策にも聞こえるだろう。しかし、彼らからしてみれば胡散臭いことこの上ない。
「こいつは確かに戦争がなくなるかもしれんが、どうもキナ臭いってやつだな。これにそぐわないって人間は一体どうする気なんだか?」
バルトフェルドも詳細を知らされていない部分に対し、疑念を放ち、どうする気なんだと問いかける。
「さあ、でもあんまり良くないことは確かなんじゃないかしら?少なくとも、今教える気はないってことはそうとられても構わないって事なのかもしれないし――――」
「でも、未来を決めるのは運命じゃないよ。いつだって僕たちは迷って、それでも自由を得たいと思ってるんだ」
キラはデスティニープランに対して反発的な意見を取る。成功すれば、確かに戦争はなくなるかもしれない。けど、それは戦争がなくなるだけであって決して幸福を意味するわけではないだろう。そんな世界はきっと未来へとつながる人間の笑顔を失わせ、幸せという言葉の意味すら分からなくなってしまうに違いない。
「だから、止めなくちゃ――――勝手な言い分だろうし、平和を目指している気持ちは一緒なのかもしれないけど、誰も不幸にならない代わりに誰も幸せになれない、そんな未来は嫌だから」
キラは自分たちの行いが正しいことだなどと己惚れてはいない。だけど、議長の行う未来が正しいとも思えない。だからこそ、今は止めなくてはならない。それが覚悟なんだと決意して。
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