第四十二話 オーベルシュタイン、俺が可愛がってやるぞ
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だな、今の立場に……。リヒテンラーデ侯は歯牙にもかけなかったんだろうが……。
「如何しますか?」
気が重いがやらねばならん。俺が選んだ道なんだ。
「リヒテンラーデ侯の一族、或いはそれに準ずる者については二十歳以上の男子は死罪、それ以外は財産の九割を没収の上国外追放。積極的に味方した者、已むを得ず味方したが力の有る者は財産の九割を没収の上国外追放。已むを得ず味方したが無力な者については財産の半分を没収の上国外追放とします。中立を保った者は現状のままとしましょう」
財産の九割を没収しても手元には相当の財産が残るはずだ。フェザーンで交易でも始めるか、或いは質素に暮らせば十分にやっていける。甘いよな、俺も。
「このリストについてはマリーンドルフ、ヴェストパーレ、シャフハウゼン、キュンメルは現状のまま。但しマリーンドルフ伯爵父娘は此処に呼んでください、釘をさす必要が有ります。それ以外は財産の半分を没収、国外へ追放とします」
「承知しました」
これでマリーンドルフと組むという貴族は現れないだろう。オーベルシュタインが甘いと言うかなと思ったがそれだけだった。もっともヴァレリーは懸命に驚きを隠している。こっちは多分俺の事を酷い奴と思ったのだろうな。
「オーベルシュタイン准将、良くやってくれました。おかげで非常に助かりました」
「恐れ入ります」
「今回の一件で准将は少将に昇進します、次は私の艦隊で分艦隊司令官を務めてもらいたい」
あ、ちょっと目が大きくなった、吃驚しているのかな。
「小官は出来れば……」
何か言おうとしたが右手を上げて遮った。
「准将の得意とするところが軍政、組織管理、運営に有る事は分かっています。しかし軍人というのはどうしても実戦経験の有無を重視する。軍官僚だけの経歴では軽んじられてしまう。一度分艦隊を率いて武勲を上げる事です。その後で軍政に進んだ方が良いと思います」
「小官は他者の評価を気にしませんが……」
こいつらしいよな。思わず苦笑してしまった。オーベルシュタインとラインハルトは似ているのだろうな。ラインハルトは周囲を馬鹿だと思っているから周囲に配慮しない。オーベルシュタインは周囲が自分を忌諱するから自分も周囲に配慮しない。基本的に他者を必要としないわけだ、おかしなくらい似ている。
「それでは今後の仕事が遣り辛くなります、それに他者の評価を気にしないと言うのは立派ではありますが一つ間違うと独りよがりな仕事になりかねません。違いますか?」
「……」
あれ、オーベルシュタインが目をパチパチしている。困惑してるのか。
「元帥府の事務局長はそのまま務めてもらいます。しかし長期に亘ってオーディンを留守にする事が多くなりますから代理を任命しましょう。誰が適任だと思いますか?」
「……グスマン
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