死神ですけど、何か?
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男が担いでいる槍だった。
日本でこんなものを担いでいる奴はいないがその槍は独特だった。槍にしては異常に太く、そして異常に長い。悪趣味な装飾が施されており、全体的には緑色だ。しかし所々に骸骨のようなマークが刻まれている。
そんな男が死神だ、なんて言うから宏助はまるで理解不能だった。しかし、明と坂口の反応は劇的だった。
「あ、貴方が死神・・・・!?」
「畜生!ついに俺のところにも・・・・・。」
明は驚愕の色を示し、坂口は恐怖の色を示している。なにがなんだか分からない宏助は明に質問。
「な、なんですかアイツ?」
「聞いたことがあります・・・・。幽霊があまりに長い間成仏出来ないと実体を得ると。そうなると危険なために成仏不可能と断定された幽霊を排除する謎の組織。どうやら幽霊と似ている存在なのですが、不思議な武器を用いて幽霊を強制的に成仏させる術を持っているそうです。」
「お、よく知ってるねぇ、姉ちゃん。アンタ幽霊が見えんのか。そっちの坊ちゃんも。へぇ〜。俺らって幽霊の間で有名なんだなぁ〜。」
突如死神、有馬・・・とかいう男が話し始める。
「俺たちがアンタを見えること不思議じゃないのか?」
「まぁな。時々いるよ。そういう人間も。でも、会話できるケースは稀だ。そっちのお嬢さんがそのケースで、お前は・・・・・・。ほう。魂が肉体に戻ってやがるのか。そのケースも稀・・・・というか見たことねぇな。」
などと呟き始めるが、しばらくするとまた一同に向き直り、
「ま、てことでそこにいる幽霊を排除するから、アンタら退いてろ。さっき見てたけどアンタら幽霊に触れんだろ?だったら俺らにも触れちまうし、コイツに当たっちまうかもしんねぇぞ。」
そういって有馬は肩に担いでいた槍を前に苦も無く片手で振り出す。その動作に宏助は多少ビビるが明は逆に一歩前に出た。
「あなたにひとつ言いたいことがあります。」
「ん?なんだ?」
何を言い出すかと思えば・・・。明は凛とした顔で有馬に話しかける。
「この人は自分の妻の幽霊を探していると言いましたね。確かにそれは叶えることの難しい未練です・・・。いずれ叶わずこの人も実体化するかもしれません。しかし、まだ見つからないと決まったわけでもないのに実体化もしていない幽霊を排除とは・・・・。聞いていて呆れます!」
死神相手にこの雄弁。さすが・・・明。と思うのもつかの間男が苛立ったように半歩前に出る。
「て、ことはアンタはコイツを庇うのか?無関係な人間を殺すことは禁じられてるが邪魔をする場合は例外だ。若い女性はあんまり殺したくないが、仕事だし、俺がアンタを殺さないとも限らない。その行動はあまり利口じゃないぞ。」
そういってから既に有馬は走り出す。異常なスピードだ。やはり死神というだけあってやはり、人外。しかしありがたい。俺が本気で動ける
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