LAST WAR-ax
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トールギスゼロのエクスキャリバーがエピオンXのブレイムを受け止める。
そのまま、エピオンXは殴りかかり、トールギスゼロはそれを受け止める。
高濃度のナノ・ディフェンサーの共鳴で、接触部分が強く発光する。
「仮に貴様が強者だとしても、強者全てが強者ではない!!」
サユイラの強い言葉と共に、ヒイロの意識へ干渉する。
「…ぐッ」
ヒイロはエピオンXから離れようとするが、エピオンXの拳を受け止めた手が掴まれて逃げられない。
「貴様のようなくだらん理想論を振りかざすゴミ共がいるから!!星々は汚れていくのだ!!」
「もう少しそのゴミ共が創る未来を信じてみろ!」
「信じていたさ!その結果、私はこの行動に出た!!」
互いのナノ・ディフェンサーの濃度が上がっていく。
「だが人間の可能性は見えたはずだ!!」
「あぁ、しかし、新しい時代を作るのは人間ではない!!」
互いが互いの力に弾き飛ばされる。
すぐさま両機は体勢を立て直す。
エピオンXは、背中から散布するナノ・ディフェンサーの量を最大にし、ブレイムを正面に突き出す構えをとった。
「どこまでいい加減で身勝手なのだ!貴様は!!」
それに答えるように、トールギスゼロもエピオンXと同じ構えをとった。
「少なくとも、人間よりかはまともだよ!!!」
2機は同時に動き出す。
その2つの軌跡はオーロラのように美しく、戦いの跡ということを忘れさせるような光を放ちながらぶつかっていく。
その一瞬の接触で、ヒイロの意識とサユイラの意識が干渉しあう。
が、先に朽ちたのはヒイロの方だった。
ヒイロの中で何かが砕けた。
「ぐあああぁぁあぁあああぁぁあぁぁぁ!!!!!!」
目の色が抜け、ヒイロの身体、生態端末が停止した。
しかし、意識端末は辛うじて生きているようだ。
(生態端末ダウン…戦闘継続不能……仕方あるまい、アレを使うか)
ヒイロの意識が回線を通じて、BF基地のデータに流れ込む。
(この私が躊躇した事をやらせるとはな…ウィンクラフト!!!)
「ヒイロ・ユイの消失を確認!」
ドレッドがガンダム9機、カゲロウ有人機2機に通信を入れる。
「BFの全MSが停止しました、これは…」
「恐らく、僕たちが有人機だと思っていたMSは、実は新型のMD(モビルドール)だったってことだね」
モビルドール。無人でMSの操縦、戦闘が可能なシステム。戦争を機械で行うという、ゲームのような行動を嫌う科学者や指導者、軍の人間まで様々な人々の反対により、その運用は火星ではほとんどなくなっていた。
ドレッドが気づかないのもおかしくない。
「MD…つまり、BFは大規模な革命組織ではなく、数人が操る機械軍団だったということですか!?」
「まぁ、そう言ってもいいだろう」
ドクトルTが答えるが、その声は浮かない。
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