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新機動戦記ガンダムW -星間戦争記-
LAST WAR-ax
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老師・張の頭には思いつく人物がいるらしい。
そして、ドクトルTもW教授も、同じ人物を思い浮かべていた。
  『ヒイロ・ユイ』
現在サユイラと交戦中のヒイロとは別のヒイロ・ユイ。
そのヒイロ・ユイも、真のヒイロ・ユイではないが、裏の歴史では伝説的な存在である。
老人たちのかつての戦友だった。
「敵だったら殺す、それだけだ」
ハッキングを数秒で完了し、回線をつなぐ。

その旧OZのMSのコックピットにノイズ交じりではあるが、ハッキリとドクトルTの声が届いた。
「こちらアダムス、応答しろ」
コックピットにいたのは、15〜6の少年。深緑のタンクトップに淡い青のジーンズを履いた、戦場に出るにはあまりにも軽装な少年。
少年は、感情のかけらもない冷たい声で応答した。
「こちらはヒイロ・ユイ」
瞑っていた目を開き、モニターの先の敵を見る。
彼が敵として捕らえているのは。
「攻撃目標は、ブラックファングだ」
MSを操作し、ビームサーベルを抜く。

「ヒイロ!!」
W教授が思わず声をあげる。
「やはりお前が黙っているわけはなかったな」
ドクトルTが少し明るい声で言う。
「頼んだぞ、ヒイロ」
老師・張が期待と共につげる。

「任務―開始」
ヒイロがグリップを押し込むと、全身に強力なGがかかる。
手元のスピードメーターは通常のリーオーの3倍以上の数値を示している。
計測不能のスピードを出すその機体は、旧OZのリーオーをベースに、トラゴスのライトアーム、トーラスのレフトアームにカスタムしてあり、更に特筆すべき、その圧倒的な機動を可能にしているのは、エアリーズのものを2連装に改造し、さらに出力増強を施したバックパックで、ジェネレーター出力は4000kwと、ウイングガンダムゼロをも超越した数値を叩き出していた。
カラーリングは、白を基調とした清楚な印象で、関節部は青に塗装されていた。

その、ガンダム同様に戦場に似合わない色の機体を、ガンダムキラーは確認した。
今まで主にMSの指揮に回っていた3機が、集結する。
「旧OZのリーオー…」
ジョニー・アンが実物を見るのは初めてのその機体の名を呟く。
「旧OZの機体のパーツを寄せ集めてある」
フィニチア・ロウは機体の特徴を分析する。
「ガンダムじゃねぇが、敵であることに変わりはねぇ」
デイノ・バートンがグリップを握る手に力を入れる。
「行くぜ!!ガンダムキラーァ!!!」
「作戦はフィニチアに一任する」
「了解した、コメットフォーメーションだ…!」
ベテルギウスとプロキオンが、特徴的な格闘武装で相手の動きを封じ、その後ろからシリウスが豊富な射撃武装で逃げ場の無い弾幕を張り、確実にしとめる。ハイリスクハイリターンではあるが、この3人の団結力と信頼度は、そのリ
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