DAO:ジ・アリス・レプリカ〜神々の饗宴〜
第八話
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、現実じゃぁ数時間の出来事なんだけどな」
カズの言葉に苦笑いを返し、セモンはブランケットを取り出し、羽織った。
目をつむる。いつの間にか、眠りに落ちていた。
*
「清文、清文」
「何だよ、琥珀……」
隣に座る琥珀が清文をゆすり起こす。どうやら気付かないうちに眠ってしまっていたようだ。
「もう。清文ったら。映画終わっちゃったわよ」
「ああ……最後の方見てなかった」
まったくもう、と言いながらも、琥珀は笑ってくれる。
長い、長い夢を見ていたような気がする。とても嫌な夢だった。
清文は、急に隣にいるコハクが何かうつろなもののように感じられてしまった。
「琥珀」
「なぁに、清文」
琥珀の顔を見る。ちょっと上気した頬。怪訝そうに寄せられたきれいな形の眉。
「琥珀……どこにも、行かないでくれ。俺から離れていかないでくれ……」
「な、なによ、急に……大丈夫。どこにも行かないわよ」
「……約束だぞ」
「うん。約束」
琥珀の笑顔。清文は、琥珀の笑顔が大好きだった。
清文は安心して、その細い体を抱きしめる。
ふいに、手の中の感触が消える。
「!?」
見渡せば、あたりも先ほどまでの人通りの多い街並みではなく、真っ白い空間だった。
「琥珀!?」
琥珀もいなくなっていた。必死になってコハクを探す清文。
「琥珀…琥珀……!!」
彼女の名を叫びつづける。彼女の姿を探し続ける。どうして。どうして。いま、約束したばっかりじゃないか……
「逃げられないよ、清文」
その声にハッとして後ろを振り向く。
そこにいたのは、自分とよく似た顔をした女。清文が大嫌いな、その顔。
「逃げられないよ、清文」
小波はもう一度繰り返す。
「お前は、私から……俺から、逃げられない」
小波が歪んだ笑顔を浮かべる。いつの間にか何もなかった場所には、純白の城が現れていた。
「やめろ…………!返せ……!!返せ返せ返せぇ!!琥珀を返せぇえええええええ!!!!!」
いつの間にか清文は《セモン》の姿になっていた。右手には、《天叢雲剣》が握られていた。
「うわぁああああああああああああああああああ!!!!」
《神話剣》27連撃、《アラブル・ランブ》―――――――――――
*
「ああああああああああああ!ああああああああああああああああああああ!!!」
「セモンさん!!セモンさん!!」
「セモン!!お
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