第二十話 竜使いの少女と…
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のかってぐらい」
キリトはいつもの事だと、カップを口に付けて言う。
そんな事を尻目に、セイバーはコクコクと頷きながら、料理の入った皿を平らげていく。
シリカはそんな彼女の姿を見て、思わず口元を緩ませた。
片手で口を抑えて笑いを堪えようとする。
「む…どうかしましたか?」
そんなシリカの様子に、セイバーが手を止めて怪訝そうにシリカを見つめる。
「いえ…ごめんなさい、ついおかしくて」
口を抑えるも、込み上げてくる笑いを堪える事が出来なくなったのか、つい吹き出してしまった。
「むぅ…」
そのシリカの様子に、セイバーは心外だといった表情を見せる。
―――もっと、冷静な人だと思ってたけど、意外と可愛い所もあるんだ―――
シリカは、セイバーと会ったときからクールな印象を受けていた。
だが、このセイバーの様子を見て、彼女の中の評価を変えていた。
セイバーは眉根を寄せながらも、再び手を動かして目の前の料理を平らげていた。
ゴクリと喉を鳴らして口に入っていたモノを呑み込むと、優しげな眼差しをシリカへと向けた。
「その様子ですと、少しは気分が優れてきたみたいですね」
ハッと、シリカはセイバーを見つめた。
そう言えば、先程まで沈みきっていた気持ちが、ゆっくり溶きほぐされているような感じがした。
だけど、その暖かさを惜しむようにシリカは視線をテーブルに落とし、ポツリと呟く。
「……なんで……あんな意地悪言うのかな……」
その一言がキリトとセイバーの中に反響する。
キリトは真顔になると、カップを置き、口を開いた。
「どんなオンラインゲームでも、キャラクターに身をやつすと人格が変わるプレイヤーは多いんだ。でも、このSAOの場合ははっきり言って異常だと思う。プレイヤー全員が協力してクリアを目指すのは不可能かもしれない。でも……」
キリトは息を一瞬止め、言葉を切るとシリカに目を向けた。
「他人の不幸を喜ぶ奴、アイテムを奪う奴、―――殺しまでする奴が多すぎる。俺は、ここで悪事を働くプレイヤーは、腹の底から腐った奴だって思ってる」
吐き捨てるように言ったキリトの目は、怒り…そして深い悲しみの色を映し出していた。
「…俺だって、人の事を言えた義理じゃない。人助けなんてろくにしたこと無かったし、それに………」
ギリッとキリトは唇を噛み締める。
思い出されるのは、あの日の惨劇。
アサシンによって黒猫団の皆が殺された映像がキリトの脳内にフラッシュバックする。
自分の傲慢さがあの惨劇の引き金となってしまった事に、キリトは視線を落とし拳を握りしめていた。
「……どんな世界にも――――」
キリトの隣で黙って聞いていたセイバーが口を開いた。
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