第二十話 竜使いの少女と…
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が、キリトの
「君が……妹に、似てるから」
その言葉で思わず笑いを堪える事が出来ず、キリトを信じてみようと思っていた。
そして現在、三人はシリカの定宿である《風見鶏亭》へと足を運んでいる。
「ここのチーズケーキがけっこういけるんですよ」
そんなシリカの言葉で、宿屋で食事を取る事になり、キリト達を引き連れてここまで来ていた。
その言葉で、一瞬セイバーの眼が光った気がしたが、決してそんな事は無い。
宿屋に入ろうとした時、ふと隣の道具屋から一組のパーティが姿を現す。
その集団の中、一人の女性プレイヤーの眼がシリカを捕らえた。
「あら、シリカじゃない」
その顔を見てシリカの顔が曇った。
「……どうも」
「へぇーえ、森から脱出できたんだ。よかったわね」
ピナが死ぬ前、喧嘩した女性プレイヤー、ロザリアだった。
「でも今更帰ってきても遅いわよ。ついさっきアイテムの分配は終わっちゃったわ」
「要らないって言ったはずです!──急ぎますから」
会話を切り上げようと、シリカは歩を進めようとする。
だが、向こうは一つ気が付いたようで、再び声をかけた。
「あら?あのトカゲ、どうしちゃったの?」
思わず口をつぐみ、悔しさで唇を噛む。
「あらら、もしかしてぇ……?」
「死にました……。でも!」
キッとロザリアを睨みつける。
「ピナは、絶対に生き返らせます!」
そう啖呵を切ったシリカにロザリアは少し驚いたように目を見開き、小さく口笛を吹く。
「へぇ、てことは《思い出の丘》に行く気なんだ。でも、あんたのレベルで攻略できるの?」
その言葉に、キリトが一歩前に出て発言しようとした。
だが、
「(セイバー?)」
セイバーが一歩前に出てキリトを止める。
すると、シリカの肩に手を置き後ろへ下がらせた。
「セイバーさん?」
「行きましょう、シリカ」
シリカは怪訝な顔をするものの、セイバーの優しく諭すような言葉で、心を動かされたのかゆっくりと頷いた。
「ま、せいぜい頑張ってね」
宿屋へ向かうキリト達にロザリアの笑いを含んだ声が背中を叩いたが、振り返る事は無かった。
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《風見鶏亭》の一階のレストランの席で、シリカがまず驚かされたのは、キリトの相棒であるセイバーに関してだ。
現時点では、特にレベルやステータスについて話をしてはいない。
だが、彼女の前に置かれた大量の食事がシリカの驚きの対象となっていた。
「……よく、食べますね……」
シリカは目の前のドリンクを見つつ、胸を抑えながらそれを見ていた。
「ああ…彼女、結構よく食べるんだ……。何処にそんな量が入る
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