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ドラクエX主人公に転生したのでモテモテ☆イケメンライフを満喫できるかと思ったら女でした。中の人?女ですが、なにか?
二部:絶世傾世イケメン美女青年期
九十一話:神の試練
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 と、今さら「ぽっ……」となってヘンリーを見送っているマリアさん。

 え?フラグ?では無いよね?
 まさかの、腐女子?
 いやいやまさかそんな、マリアさんに限って。

「……マリアさん?」
「あ、申し訳ありません。参りましょうか」

 声をかければすぐに戻ってきて、逆に私を促してくるマリアさん。

 良かった、普通だ。
 やはり、腐っては無いらしい。
 腐女子が悪いとは言わないが、マリアさんにはそうであって欲しく無い。


 などと妙な安堵を感じつつ更に先に進み、最上階に到達します。

 鏡が祀られている祭壇までの足場が無いように見えていて、でも実は見えない床があるという、仕掛けのある場所ですが。

「あれが、目的の品にござりますか。飛び越えるには、(いささ)か距離が有りすぎますな。どうしたものか」
「おいらなら、行くだけは行けるけど。おいらじゃ、滑って落としそうなんだよねー。落としたら割れるよね、アレ」
「ピキー」

 仲間たちが、頭を悩ませてくれてますが。

 知ってました的な感じで進み出るのもどうなのか。
 どっかで情報聞けた気もするが、特に聞いてこなかったし。
 ここはやはり、マリアさんのフラグ的な発言を待つべきか。
 と、ヘンリーと顔を見合わせ、なんとなく意見を一致させます。

 すると、マリアさんが期待通りに口を開いてくれます。

「……この塔の言い伝えによると、己れの見たことしか信じられぬ者は、神の祝福を受けられないそうです。……今こそ、目に見えるものを疑ってみるべき時なのでしょう」

 決然と前を向き、歩き出すマリアさん。
 途切れた通路の端で、一旦立ち止まります。

「……これが、神の試練なら。きっと、道はあるはずです。私は、神を信じます」

 深呼吸して、何も無いように見える空間に踏み出します。

「マリアちゃん、危ない!」
「マリア殿、お気は確かか!」
「ピキー!」

 焦って駆け寄り、手を伸ばす仲間たち。

 その手を逃れるようにマリアさんは歩き続け、立ち止まって振り返ります。

「大丈夫ですわ。ほら」

 空中に浮かんだように見える状態で、穏やかに微笑むマリアさん。
 マリアさん自身の清楚な美しさと相俟(あいま)って、なんとも神秘的な、美しい光景です。

 仲間たちが、驚きます。

「え?マリアちゃん、飛べたの?」
「なんと……!これは、驚きましたな……!」
「ピキー……!」

 更に、笑みを深めるマリアさん。

「さあ、鏡はすぐそこですわ。参りましょう」

 再び前を向き、マリアさんが足を踏み出します。

 って、そこは。

 細かいことを考える前に体が動いて、マリアさんに駆け寄ります。
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