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ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第47話 理不尽な世界
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られて、前に立っているキリトの決して大きくない背中を見つめる。
今までの戦い方を見ても相当な高レベルプレイヤーだとは思っていた。でも……最前線で未踏破の迷宮に挑みBOSSモンスターを次々と屠っている攻略組。
その真のトップ剣士だとは思わなかった。夢にも思ってなかった。
「あっ……! で、でも白銀……って………」
この名前、《二つ名》は、確かに聞いたことがあった。
それはいつだっただろうか、……アルゴの情報の本で見た事があるのだ。今は、回収? されてしまったのか、見る事が叶わなくなってしまった。それ程古いモノだ。
そこにあったのは、銀髪の勇者。
そこから始まって……、次には白銀の剣士で定着していたなんだか、面白おかしい剣士の話。
会える確立は凄く少なくて……でも会えればラッキーだとか。とても、素敵な人だって。素敵で……何よりも強い。まるで、それこそアニメなんかのヒーロープレイヤーみたいなイメージだろうか。
確かに、リュウキ顔はその、幼さが残るものだとシリカも思ったけれど。
(その《銀髪の勇者改め、白銀の剣士》がリュウキさん……? そして……キリトさんもそリュウキさんと同等のレベルの最前線の攻略組……?)
だが、1つの事実もある。彼ら攻略組の力はSAO攻略にのみ注がれ中層のフロアには下りてくることは滅多に無い筈と言う事実だ。だが、現に2人はこの場所に立っていた。
この事には、ロザリアもたっぷり数秒間ぽかんと口を開けていた。その姿は、随分滑稽な姿に溜飲下がる思いだ。
だが、ロザリアは直ぐに我に返ったように甲高い声で喚いていた。
「馬鹿言っちゃいけないよ! こ……攻略組がこんな所をウロウロしているわけないじゃない! それに、あのぼーやが、有名な≪白銀≫? はっ!ありえないね! どうせ、名前を語って、びびらせようってコスプレ野郎に決まっている。それに……万が一にでも本物だったとしても、こっちは15人もいんのよ! この人数なら、白銀だろうが漆黒だろうが余裕だわ!」
流石は腐ってもギルドのボスの言葉だ。メンバーを鼓舞する事に成功し、その声に更に勢いづいたようにオレンジプレイヤーの先頭に立つ大柄な斧使いも叫んだ。
「そ……そうだ! 攻略組ならすげえ金とかアイテムとか持ってる! それがたった2人だぜ!? オイシイ獲物じぇねえか!!」
口々に同意の言葉を喚きながら賊たちは一斉抜刀した。
「き……キリトさん……、やっぱりっ無理ですよ! 人数がっ! リュウキさんを……助けて逃げようよっ!」
シリカは、懐にあるクリスタルを握り締めながら叫ぶ。ロザリアの言うとおりいくら強くたって、数の暴力という言葉もある。物量で押し切られてしまえば、2人でも勝てないと思ったのだ。
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