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ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第46話 タイタンズハンド
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は気配がまるで違う。
 ロザリアから心底嫌な感じがするんだ。

 そんなシリカの肩を掴み……自分の後ろへと隠すリュウキ。シリカを庇う様に、あの女から遠ざける様に。

「それはいかないな。これはこのパーティで得たものだ。無料(ただ)でやるわけないだろ?……まあ、アンタにゃ 何言われても渡さないがな」

 リュウキは、ロザリアにそう言い放った。あくまで余裕のある表情を全く崩さないリュウキ。

「へぇ……。そう」

 ロザリアは、その怪しい笑みを崩さなかった。
 だが、次のキリトの言葉を訊いた後は、そうはいかなかった。

「そう、リュウキの言うとおりだ、このアイテムは、今 この子に必要なものなんでね。ロザリアさん。いや――、犯罪者ギルド≪タイタンズハンド≫のリーダーさん、と言った方がいいかな?」

 キリトのその言葉で笑みが、完全に消え眉がピクリと上がった。


 SAOにおいて、盗みや傷害、あるいは殺人といったシステム上の犯罪を行えば、通常緑のカーソルからオレンジへと変わる。
 それ故にその色を持つ者は、《オレンジプレイヤー》と呼ばれる……即ち犯罪者の名称だ。

 そして、その集団をオレンジギルドと通称する。その知識はシリカも知っている。以前にも大きな事件があって、その情報は出回っていたからだ。
 だが、自分自身は実際に見たことがない。だけど……、眼前にいるロザリアのカーソルはどう見てもグリーン。そもそもオレンジであれば、街に入る事さえ出来ないのだ。

 リュウキは、シリカのそんな気持ちが判ったのか。

「……ああ言う連中は、ずる賢さだけは人並み以上だ。全員が犯罪者カラーじゃない場合がある。グリーンメンバーが街で獲物を品定めする場合がある」

 リュウキが説明をした。ロザリアのカーソルが緑だから、シリカが混乱したのが判ったからだ。そして、キリトが続く。

「パーティで紛れ込んで待ち伏せポイントに誘導するんだ。昨日のオレ達を盗聴してたのもアイツの仲間だろう」

 そう答えていた。
 そして、それを黙って聞いていたロザリアの顔。それを見て、シリカは、何処か、頭の何処かで考えていた事が 間違いない事に気がついた。
 
「まさか……、この2週間同じギルドにいたのって……?」

 そう、ギルドに所属している様な人物が、それもリーダーをしている様な人物が別のギルドにいるなんて、有り得ない。だが、そのギルドが犯罪者ギルド(オレンジギルド)であれば、話は変わってくる。

 ロザリアも、シリカの考えが判った様で、怪しい笑みを見せながら言った。

「そうよォ。あのパーティの戦力を評価すんのと同時に、冒険でたっぷりお金が溜まって、美味しくなるのを待ってたの。本当なら今日にもヤっちゃう予定だったんだ
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