第01話
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不条理な現実を前に気がどんどん沈んでいくなか、山田真耶の誘導に従いISに乗り込み装着する。
今回、姫川が使うISは学園にある二種類の訓練機のうちの一機。第2世代の量産機である『ラファール・リヴァイヴ』。
現在の量産機の中で世界的に使用されていてスペック的には第3世代機に張り合える性能を持ってはいるが、やはりそこは量産機。自分用に最適化したならまだしも、初心者が乗って熟練者である代表候補生に勝てる訳がない、勝てる要素は皆無と言ってしまってもいい。
――本当に、何でこんなことになったんだろうなぁ
また内心愚痴りながら溜め息を吐き遠い目をする姫川。そんな彼なのだがISを装着しているのはいいがどこかおかしい。
ショートだった髪が腰まで届くロングヘアーになり容姿が少しシャープに、少しだけ筋肉が付いている胸筋に豊なバストが実り多少割れた腹筋が細く括れた滑らかな胴に、括れた胴により際立つ形のいいヒップ。
「……へ?!」
「な!?」
姫川の変化に驚き変な声を出す一夏と声を荒上げた一夏のファースト幼馴染みでIS開発者の篠ノ之束の実妹である篠ノ之箒。
二人の目の前には普通より顔が整っていたISを纏う少年出はなくISを纏ったロングヘアーが似合うキリッとした目付きのモデルのような美女が。
まあ、要するに――
「ひ、姫川が、女にぃぃぃぃぃぃぃぃ?!!」
と、いう訳だ。
姫川鳴美は純粋な産まれながらの書類、遺伝子上もしっかりとした男だ。
しかし、彼はISを装着用すると何故か肉体、遺伝子的に女性になってしまう。しかも、176cmといった伸長のまま女性になるので伸長が高い胸が出て腰が括れて尻が出たスタイル抜群なモデルのような体型になってしまうのだ。街中を歩いたら間違いなく世の男性たちは必ず振り返っては二度見するであろう。
――マジでどうにかならないのかコレェ……
世の女性なら羨まい欲するような容姿と肉体であろうと姫川にとっては不要な産物。いくら一時的な物で元の男の身体に戻れるとしても勘弁してもらいたい。これも真っ先に研究対称にさせられてしまうだろう要因に含まれている。
「見るのは二度目でですけど、本当に不思議ですねー」
「まったくな。男でISを使えるだけでも異常だというのに肉体が変化してしまうとはな。非常識にも程がある」
形式上の入試試験で今の姫川が変化する様を一度見ている山田真耶と織斑千冬の教師二人はまるで他人事のように感想を述べる。確かに他人なのは事実なのだが仮にも担任、副担任と教え子の関係なのだから多少は感心を持ってもらいたい。
試合で使用する武装を格納領域に収納したのを確認し終わるといよいよ試合本番。
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